第20話:もう一度、君の歌声<今更ながらルパンレビュー2015>
往年の大スターが愛用した名車。次なるルパンのターゲットはこの車だというのだが。例によって銭形の追跡を受けるが、今回はどこかしら包囲が甘いこれは銭形はともかくさしものルパンも訝ざるをえないが。あと車の運転もおぼつかないのは整備の不備だけなのか。
車の無事を要求する仲介人はともかく、本来の持ち主だった老紳士、車の処分を望んでいるというが、そしてうつろな目の病床の老婦人、老紳士マーティンは何を想うのか。
未だ迷走を続ける車、どうやらルパンの気まぐれではないというのだが。それを見守るマーティン、価値にこだわる周りに辟易し、病床の老婦人、かつてさんざん運転に付き合わされたノラとの思い出に浸る。そして今のノラの姿に苦悩したがゆえ車を売りに出したのだ。そこに現れたのが不二子だったのだが。
実は仲介人と不二子が結託し、ルパンの事件を通じて車の値を吊り上げるのが目論見だった。マーティンも今に至り車の処分を思い留まろうとするのを阻まんがために現れたのだ。彼自身のノラへの想いが思い出の品々と重ね合わせ苦悩していた。ノラと結ばれるも今に至り何らかの病を得て意識もなく病床にいる彼女への苦悩を胸に。
しかしその目論見は銭形に見抜かれ、仲介人を拘束しルパンを待ち伏せんとするも、車は別の場所に、車の気まぐれ、否、車に宿っただろうノラの意思によって。あの時のマーティンの思い出と、ノラの歌とともに、車は二人が至ったあの場所へと向かっていく。マーティンもまたあの時の思い出にあらためて向き合うことができたのだった。
そしてその歌声に応えるかのごとく、ノラは天国へと旅立つ。結局不二子の計画はふいになったのだが、おそらくノラの心と二人の思い出とともに、その車は約束の場所へとその身を休めていった。
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