小説・聖闘士星矢VSセーラームーン(その10)
第3話:誓いのお茶会(その2)
さてみなさん、今回はアテナの化身沙織と、月の女神セレニティの化身うさぎとちびうさのお茶会において、これからなすべきことを語り合う運びとなります。果たしてその先にあるものは、
あと今回のエピソードはかつての東映アニメフェスタのノリで書いていますので、これからの展開を含めてストーリー的には少々子供っぽいところもあります。まあセーラームーンの旧アニメシリーズは星矢のリターンマッチ的なエピソードも含んでいるのかなとも思っておりますけれど、ともかくそんなノリで。
それからネタバレにもなるやもしれませんが、ムウたち黄金聖闘士は未だ異次元に放逐されるも後半あたりに帰還するかというシチュエーションも面白いかもしれませんね。
ひとまずは先に述べたお話の進めで、それでは、ごゆっくり。
あらためてちびうさを交え、開かれたお茶会。しばらくはお茶とお菓子を楽しんでいたのだが、その後で沙織がふと口を開く。
「ところで、お話というのはほかでもありませんが、うさぎさん」
「ええ、お話、ですか。そういえば先に大会の招待状といい、今回のお茶会といい。やはり気になるところが、あったりして・・・・・」
半ば戸惑いつつも沙織に聞き出すうさぎ、その沙織も少し真剣な眼差しで応える。
「ええ、あなたには特別な感がすると思い、ここにお招きしたのです。セレニティ・・・・・!」
突如、辺りが宇宙空間に変わり、悠然と立つ沙織に対し、半ば呆然と立ち尽くすうさぎとちびうさ。やがて寄り添うちびうさにわずかに平静を取り戻すうさぎだが。
「ここは一体、それに沙織さん、あなたは、何なのです」
「本当は一般の人には明かすことはないのですが、私は、戦いの女神、アテナの化身。あなたと同様、この世にはびこる脅威から人々を護る役目を負う者なのです。月の女神・セレニティ・・・・・」
いつの間にか沙織はアテナの姿に、うさぎとちびうさはセレニティの姿に変わっていた。そんな中でも星矢はそのままの姿だった。この場はただ二人の傍観者といったところで。
うさぎも次第に自らの神性に目覚めたのか、セレニティの口調で沙織に語り掛ける。
「それでは、これからの脅威が、あなたたちと、私たちにも関わりがあるというのですか」
「はい、今までの脅威は、人がこの地上で栄えるに値うか否かをはかるべく、私たちが人の側に立って戦い抜いたものでした。たしかあなた方は純粋に外の敵との戦い、対して私たちはそれよりは内面的なものとして」
「そこで、今回訪れる脅威に対して、力を合わせなければいけないのですね」
「もちろん、私たちだけではありません」
沙織はふと、傍らの星矢に視線を向ける。星矢もうなづきつつ口を開く。
「今まで俺たちと戦った戦士たちもわずかだが力を貸すという。彼らも自分たちが信ずる者たちのために俺たちと戦った。その戦いと試練を経て俺たちの闘いを認めてくれたというわけなんだ」
「星矢さん・・・・・」
「今は、それだけでせいいっぱいだけどね・・・・・」
星矢も手に持ったティーカップに口を含む。それと合わせるや、辺りは先の茶席に戻っていた。
「星矢の言う通り、今はまだ、このひと時を楽しみましょう」
「ええ、そうですね」
少しの動揺もあれ、うさぎもちびうさも、ちょっと冷めたお茶でのどを潤し、かわりのお茶とお菓子で今ひと時を過ごすのだった。
そしてその夜、辰巳の運転で家路についたうさぎたち。家の前にはママが待ち構えていた。
「お帰りなさい、うさぎ、ちびうさちゃん」
「うん、遅くなって、ごめんなさい」
「さあ、夕ご飯ができてるわよ」
と二人とも家に入るのだった。
しかしその様を、遠目で見やる長身の男がいた。
「月野うさぎ、か・・・・・」
その男、元スペクター、天猛星ワイバーンのラダマンティスは軽い笑みを浮かべ、この場を後にするのだが。
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コメント
黄金聖闘士が異次元に放逐されたとありますが、
どこに飛ばされたのかすごく気になります。
お茶会にタキシード仮面ことまもちゃんも加わってほしかったなぁ。
ラストにラダマンティスが登場ですが、セーラー戦士との絡みが楽しみです。
ちなみに、他の冥界3巨頭のアイアコスとミーノス、そしてパンドラ様も登場お願いします。
投稿: 廣本万里絵 | 2018年7月23日 (月) 10時07分