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役回りの本末転倒:本当は何を求めたのだろうか<本当は怖いドラえもん>

さて今回は趣向を変えて、先に発売されたドラえもんのコンビニ文庫『今日も1日いい日にするぞ編』に続き『こんなはずじゃなかったのに編』について述べてからそれについての諸問題を述べたく思います。

そのこんなはずじゃの巻については、本来ドラえもんのひみつ道具を使い様々な諸問題を解決していこうといったはずが、主に調子に乗りすぎて手痛いしっぺ返しを食らうといったお話を中心の載せられたものでした。

まず『ゆっくり反射ぞうきん』などはかつてのオバQばりのズッコケ話ととらえてもいいかもしれないけれど『しかえし伝票』『のび太の地底国』などはわざわざのび太くんに悪いことをさせてからみんなでこらしめるといった、いってしまえば一人芝居のお話も目立ってしまった。結局こういうお話も手放しで喜べないという皮肉な結果になったのだなといった感もぬぐいきれない。

さて「こんなはずではなかった」と一概に言っているが、では「どんなつもりで」お話を作ろうとしていたのか。

まず結論から言えば、ひとまずの思い付きのみでお話を作り続けた結果、いつしか読者の気持ちとかけ離れてしまったとも読める。

そもそもドラえもんのお話における当初の目的は「ドラえもんのひみつ道具(とのび太くん自身の創意工夫)で様々な問題を解決する」ものだった。それは読者の子供たちにユメを与え、心をつかんだのは言うまでもない。

その一方で「何か子供たちのためになるお話を作ろう」といった気持ちから、はじめそういった考えさせられるお話もちらほらと見受けられるも、それは様々ないきさつから次第に教訓的な要素が表に出がちになり、ついにはのび太くんを懲らしめるというかやっつけることでお話をつくることが専らとなってしまった。これも基本はオバQからのズッコケ話としての姿勢は一貫しているといえるけれど、やはり月日がたって先生の心情の微妙な変化やら何より体調の低下やらが影響して、前回でも述べたように連載当初の情熱が失われ惰性に陥り、結局は当初の目的から離れてしまったといえるだろう。加えて読者の心情も

「ダメなのび太くんもがんばっているのだから、僕たちも頑張ろう」から

「のび太くんのようになってしまわないためにも、僕たちも気を付けなきゃ」になっていき

最後には「またのび太がやっつけられたな、自業自得さ、いい気味だ」ということにもなってしまった。これも先生のあてが外れたといえるだろう。

その意味からでも大人の元読者から今の読者のみなさまも反省すべき点ではないだろうか。

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