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小説・聖闘士星矢VSセーラームーン(その6)

第2話:第2回銀河戦争記(その4)

続いては氷河と紫龍、お互い仕合巧者同士の対戦である。

まずは操る冷気と水流をぶつけ合い、飛び散る氷片が辺りの地面に突き刺さり、あたかも氷の林を彩っていく。

「まだ本気を出しきっていないようだな」

「いつもの闘いと違って華を見せないとな。希望を与えるためにな」

「希望かあ、面倒くさいがいい響きだよなあ」

かつての冥闘士たちが感慨深く仕合を見守っていく。

一方で貴賓席にても、うさぎたちが手に汗握る中、亜美が冷静に見守っていた。

「うん、どうしたの亜美ちゃん」

「ええ、まるでチェスの駒を動かしているみたいで、ちょっと興味をひかれたの」

まことの呼び掛けに亜美が応え、そこにレイが同意する。

「たしかにね、周りの氷がきれいな渦を巻いているわ」

「でも、仕掛けるとしたらもうすぐね」

その亜美の言う通り、当の紫龍と氷河も、

「そろそろいいだろうな、紫龍」

「ああ、一気に勝負を決めよう」

と、二人が飛び掛かり拳を合わせる。先以上の激闘に会場も一気に盛り上がる。

「なんでえ、一合ごとに一発ずつか、まどろっこしいな」

「言うなよゼーロス、業をぶつけ己を確かめるのにはこれが手っ取り早いんだ」

ぼやくゼーロスにフレギアスがたしなめる。何回、何十回とぶつかり合ううち、表示盤にはそれぞれヒット判定が2本ずつあらわされていた。それを見越してか、二人が間合いを広げる。おそらくこれで最後の一撃を決めるだろう。

意を決した二人の激突、フレギアスたちが、亜美たちが、そしてすべての観客がその一瞬を見守る。

その一撃が表示される。互いの拳が相手の左胸にヒットし、相討ちに思えたが、わずかに紫龍の左胸の亀裂が深かった。

紫龍に3本目のヒット判定が入り、氷河の勝ちが告げられた。

互いが表示盤の判定に満足した表情で見上げ、歩み寄ってから固い握手を交わす。

「やはり腕を上げたな、紫龍」

「いや、本気でなくても真剣にかからなければと思って、かえって気を遣ってしまった。フレギアスやクリシュナが見たら失望するだろうが」

そのフレギアスは肩をすくめつつ頭を振って納得の意を示し、観客席の片隅では、微笑を浮かべる一人の男がたたずんでいた。

やがて闘場を後にした紫龍は、途中先の男と出くわした。

「やはり、来ていたのか」

「ああ、いい仕合だったぜ」

その男、海闘士(マリーナ)・インド洋の守護たるクリュサオルのクリシュナはおもむろに紫龍の額に指を当て、気を送る。

「かつて俺との仕合以来、アテナの血と神聖衣の助けがあったとはいえ、いまだに視力は回復しないと聞く。お前たちの信念から学ぶことも多い。ここで塩を贈るのも悪くはなかろう」

「ああ、すまないな」

「いずれにしても乱世はまだまだ続く。その時は俺も力を貸そう」

指を放し、クリシュナはこの場を離れる。それに入れ替わり氷河がよって来た。

「何だ、お前もやられたのか」

「ああ、ぼんやりだが見えるようになった。しかしあのクリシュナが俺たちの力になるというが」

「俺との闘いで感じ入ったかもな。それよりも、もうすぐ瞬とジュネの仕合が始まる」

「そうだな、あれからどれだけ強くなったか、楽しみだ」

と、二人は次の仕合を見守るべく控え室へと向かう。

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