ドラえもん・オリジナル大長編:のび太と海底帝国(その7)
エルたち一行が再びアトランチスへと向かう一方、エレナたちドルマン一味の潜水艇では。
ミーナ「もう、どういうことなの、奴らの国を占領しようと思ったら、まさかおじ様が止めに来るなんて」
エレナ「ええ、まさか私たちの方も邪魔者が出てくるなんて思わなかったから。でもこうなったら致し方がないわ。すみやかにあれを目覚めさせましょう」
ミーナ「やっぱりあれを見覚めさせるしかないのね。本当は気が向かないけれど」
エレナ「大丈夫よ、こちらのコントロールは完璧だから」
ミーナ「そうだといいけれど」
心配するミーナをよそに、エレナは通信機で連絡を取る。
エレナ「じい、あれの修復状況はどう」
通信『はっ、機体の修復はほぼ完了し、あとはコントロール機能を組み込むのみです。こちらはいつでもお嬢様の帰りを待っています』
エレナ「それはなによりね、これであの子たちに一泡吹かせてあげられるわ」
潜水艇は一路旧鬼岩城跡へと向かっていく。
エレナ「さあ、これからが本番よ」
一方ドラえもんは残骸群にて身を潜めていた。そこにはなぜかイカのシルビイもちゃっかりついてきたのだ。
リム「やっぱりついてきちゃたのね、今私たちも休みたいから、ちょっと隠れててね」
と、シルビイは残骸の陰に隠れていく。
ドラえもん「さて、ここからが旧アトランチスだけど、ドルマン一味は本当に鬼岩城跡にいるのかなあ」
ドラミ「そうね、彼らの目的はそこのポセイドンをよみがえらせようとしているの」
ドラえもん「ええっ、これで一気に世界を征服しようとしているのか」
ドラミ「というより、お兄ちゃんたちをやっつけるのが先決だろうけれど」
ジャイアン「いずれにしろおれたちが目的なら迎え討とうじゃないか」
ドラミ「待ってたけしさん、相手はあのドルマン一味だからどんな手を使ってくるか」
ふとドラミちゃんの視線の前には中世の沈没船が沈んでいた。
ドラミ「そうだ、あの船を使って近付いていきましょう」
のび太「あの船で近付くの、なんか出てきそうでこわいなあ」
スネ夫「じゃあ、のび太一人ここでお留守番する」
のび太「ば、ばかにして、僕だって世界を救いたいんだ」
ルウ「とにかく、乗り込むにしても作戦を立てなきゃ」
リム「とにかく船の中に入りましょう」
ということで一同は沈没船の中に入ることになった。初めは探検気分のジャイアンとスネ夫もさすがに心細くなったが、ようやく船長室らしき部屋に差し掛かる。
ドラミ「それじゃあ準備ができたようだから、『無生物さいみんメガフォン』」
ドラミちゃんがメガフォンを取り出し、船全体に呼び掛ける。
ドラミ「あなたは潜水艦、アトランチス帝都跡までお願い」
その呼びかけに果たして船全体が揺れ動く。
のび太「うわっ、船が揺れてる」
ドラミ「船が動き始めたの。これで帝都の鬼岩城跡まで行くの」
スネ夫「これじゃまさに幽霊船だな」
船が動き始めてからひとまずみんな落ち着いた後で、作戦会議を始めようとしたが、
しずか「そういえば、今日はまだお風呂に入っていなかったわね」
ドラえもん「もう、こんな時お風呂だなんてのんびりしていられないよ」
ドラミ「あらダメよお兄ちゃん、女の子は身だしなみを大事にしなきゃ」
リム「そうですね、私もお風呂に入りたくなったわ」
のび太「あれ、海底人の人もお風呂に入るの」
リム「うん、もっぱら水浴び程度だけど、時折はお湯のお風呂にも入るの、私はお湯のお風呂の方が好きだから」
ドラミ「それじゃあ決まりね、『壁紙大浴場』」
壁紙の扉を船室の壁にかけ、ドラミちゃん以下女の子3人は中に入っていった。
エル「しょうがないな、それじゃあ僕たちは外の様子を見張っていこう。まずは僕から、次はルウだよ」
ドラえもん「それじゃあ僕らもお風呂にしよう」
というわけでドラえもんも壁紙大浴場を出してお風呂に入ることになった。それはさておき、
ドラミ「入る前に『お風呂アワアワスーツ』」
手に取ったボトルを握って、ドラミちゃんが二人を泡に包んでいく。
ドラミ「これでお風呂に入りながら体を洗うことができるの。あと服の洗濯もね」
しずか「うん、これは便利よね」
ということでしずかちゃんとリムは泡で包まれながら服を脱いでいき、いよいよ浴室に入っていく。
リム「うわあ、泡で浮いてて気持ちいい」
しずか「この泡、お湯で溶けないのね」
ドラミ「お湯に入りながら体を洗うのよ、後でしずかちゃんたちにもおすそ分けするわよ。これくらいならね」
しずか「ええ、そのためにポセイドンの復活を止めなきゃね」
リム「もちろん、私たちも力を尽くすよ」
一方の男湯でも、
ジャイアン「なんだかしずかちゃんたちもにぎやかだな」
スネ夫「こんな大きいお風呂にのび太が入れないなんてかわいそうだよな」
ルウ「でも後で兄さんたちと入るからね。そろそろ交代かな」
ということで、数分後、エルが浴場の扉をノックし見張りを交代する。
そんなこんなで沈没船は一路アトランチス帝都まで進むのだった。もちろんシルビイも後からついていくけれど。
つづく
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