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のび太の堕落論:引きこもることはいけないことだけど<本当は怖いドラえもん>

さて昨今、若者の引きこもりについて問題となり最近では中高年の引きこもりも取りざたされることで、いずれ関わらねばならない問題でもある。

そこでドラえもんにおいての引きこもりを述べておきたい。

その前に盟友藤子A先生のこの問題作をば、

『明日は日曜日そしてまた明後日も・・・・・』

晴れて就職が決まりいざ出社に乗り込まんとした青年は、生来の気の弱さと過保護な生活からか初日で会社の警備員さんに半ば追い返され、それ以来ズルズルと休み続け、しまいには精神病の診断を受けてそのまま家に引き込もったままになってしまったそうな。

~掲載当時はまだ高度経済成長のあおりを受けた社会情勢だったので、それを皮肉ったお話でもあるのだが、やはり現代の引きこもりに通じているのは皮肉と言うほかはない。

 

さて当のF先生の見解やいかにということでこのお話をば、

『万能グラス』

ある日、今日は家でゴロゴロしていようとすると同時に、周りのものが気になるので『万能グラス』を出して昼寝をしながら周りのものを見て回る。その時とあるアパートの一室でゴロゴロと寝そべる男を見かける。後に洗濯したパンツをさがしに先のアパートまで飛んでいったので、訪れると先の男が首を吊ろうとしたので引き止めた。事情を聞くと、男は借金で切羽詰まっていたと語るも、男のおじが借金を返してくれたおかげで事なきを得て、男は心を入れ換え働くことに。のび太くんもちょっぴり反省して勉強をしだしたそうな。

~ここでの引きこもりの男は怠けぐせゆえでこうなったと描いている。借金云々はそのついでだろうし、その当時(前者もそうだけど)引きこもりの問題はそう挙げられなかったきらいがあったからF先生もあのような認識だったろう。

要するに心がけ次第だという読者の子供へのいつものメッセージだけど、たしかにいまでは心がけではどうにもならないのもまた事実だけど、このお話ならそのメッセージは素直に受け止めてもいいだろう。

最後後者が親戚の助けがあり立ち直ったからよかったが、前者はあのまま放って置かれてしまった。これもまた誰かが支えてくれればよかったのだ。これは作風の違いといえばそれまでだけど、それでこの作品を通じて現代の問題を深刻ならしめるものとしているのだろう。

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