続・動物たちの裏切り<本当は怖いドラえもん>
何度も述べるまでもないが、のび太くんは基本的には動物好きで動物たちものび太くんになつきやすいといった要素をあげたい。もっとも野犬たちの事情に関してはある意味“いじめ”の要素が盛り込まれていることは前にも述べたこと。
そんなのび太くんを動物たちが拒むシチュエーションを続いてこれらのお話を通して述べていきたい。
『はいどうたづな』
ある日、自分だけが自転車に乗れないのがくやしいので、せめて自分が乗れる馬を出してもらおうとするも、代わりに『はいどうたづな』という道具を出してもらう。それは犬やらネコやらに付けて乗り回せる道具だった。試しに近所のネコやら犬やらに付けて乗ってみようとするもどれもうまくいかず、結局それらもジャイアンたちに取られてしまったそうな。
『ペットペン』
その日もペットを飼おうとするもママに断られたことをドラえもんにもからかわれたことに気を悪くしたのび太くん。せめて絵の動物をペットにしようと『ペットペン』を出してもらいその絵をペットにして買ってみようとするも、肝心の絵は下手で描いたのび太くんを反映し怠け者で気の弱く、しかものび太くんになつかなく勝手な行動を散りがちでしまいには吸い取り紙に入って消えてしまった。後にしずかちゃんに貸して書いてもらおうとするも、しずかちゃんはともかくジャイアンやスネ夫の絵のペットが大変うまく書かれていって、しかも大変みんなになついていったことにのび太くんは悔しがったそうな。
これらのお話も野犬たちと同じく、もっとも『はいどうたづな』はモロ野良犬がらみだけど動物たちに嫌われてイヤな思いをするお話として描かれていった。前者の場合はたしかに付けたイヌネコたちはウマが合わなかっただろうし、後者にいたっては中後期特有のダメな要素でケチがついてしまったことがある。
加えて野比家でペットが飼えない事情も当時の家庭事情のペットを飼うゆとりが持てないことに当てはまることもある、もっともこれも先の家計の事情とあわせてのび太くんのダメの要素と見なされてしまっているのだが。
いま一つ後者について、たしかにお話の見方によっては「たとえ絵に描いたものでもいったん生み出したものは最後まで面倒をみる」というくだりを当てはめられるが、やはりのび太くんの絵のお下手を理由に押し付けるのもやはり酷だろうと思うけれど。ましてや冒頭のからかいの要素もあわせて結局のところお話の終止でケチが付いてしまったことも挙げたい。
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