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オリジナル大長編:のび太と海底帝国(その1)

さてみなさん、今回から始まる『のび太と海底帝国』その第1話をお送りいたします。

アトランチスの脅威を退けるも、また新たなる脅威に立ち向かうドラえもんたちの活躍をここにお送りする運びです。はたしてその展開やいかにといったところで、それでは、ごゆっくり。

 

あるむし暑い日の朝だった。その日のび太くんは珍しく早起きをしたかと思ったら、暑すぎてそのまま目が覚めたのだった。

のび太「あ~あ、こう暑いと寝てられないよ」

そこにドラえもんが声をかける。

ドラえもん「のび太くん、そろそろしたくしなくていいの、このままじゃ遅刻しちゃうよ」

のび太「うん、ドラえもん、何言ってるの、今は夏休みだよ」

ドラえもん「のび太くんこそ何言ってるの、今日は学校の出校日だよ」

のび太「ああっ、そうだった!」

急いでふとんから飛び起きるのび太くん。したくもそこそこ、駆け足で学校に向かうも結局遅刻して廊下に立たされてしまう。

のび太「あ~あ、どうして夏休みなのに学校に出て立たされなくちゃいけないんだろう」

夏休みの出校日でもいつも通りの朝のひとときだった。そうその時までは。

 

突然、教室の窓から一人の女性が舞い降りてきたのだ。

女性「確かここだったわね、さてあなたたち、この中に野比・・・・・」

先生「な、何だね君、君は・・・・?」

先生が女性の肩に手をかける。しかし女性は先生の手を取ってそのまま窓に投げ飛ばす。

女性「うるさいなあ、私も忙しいのだから邪魔をしないでくれる」

と、再び生徒たちに問い掛けんと、目の前の出木杉くんをつかみ上げる。

女性「あなた、この部屋に野比のび太って子がいると聞いたけど、彼は今どうしているの」

出木杉「の、野比くんなら、廊下に、立って、いるよ・・・・・」

女性はそのまま廊下をのぞき込む、しかしのび太くんの姿は見えなかった。

女性「何よ、いないじゃないの」

出木杉「で、でもさっき、先生に廊下に立たされて」

スネ夫「き、きっと逃げたんだ。今頃学校の外だよ」

と、スネ夫が怯えつつ口を漏らす。

女性「なるほど、その手があったわね。それじゃあ、みんなこの腕輪を見て」

と、みんなを腕輪に注目させ、そこから発した光で自分のことを忘れさせた。

 

一方、当ののび太くんはさっきの異変をのぞき込み、慌てて逃げていったのだ。

のび太「な、何だろう、あの女の人、慌てて逃げちゃったけど、あとで先生に怒られそうだなあ」

そのまま裏山の一本杉の枝にこもって何とかやり過ごそうとする。

のび太「しばらくかくまって、今大変なことになりそうだから」

と、そのまま眠りこけてしまった。しかししばらくしてあの女性がのび太くんの目の前に現れたのだ。

女性「みいつけた、さっき窓に捨てたおじさん(先生)にかまってて少し時間を食ったけど、案外遠くに行かなかったみたいね」

のび太「わっ、さっきのお姉さん。一体何なの、それに僕に何の用?」

女性「あなたが我が国の秘密を知っていると聞いてわざわざ訪ねてきたのよ。今は亡き我が祖国、アトランチス帝国の秘密をね」

のび太「アトランチス、ヒミツ、一体何のこと」

女性「あきれた、まさか忘れちゃってるの、まあいいわ、私はラ・ミーナ。一応アトランチスの王女様ってところだけど。とにかくついてきてもらうわよ」

その女性、ラ・ミーナがのび太くんに近づこうとするや、すかさずタケコプターで逃げようとする。

ミーナ「あ、ちょっと待ちなさいよ」

すかさずミーナもそのまま空を飛んで追いかける。

のび太「わっ、追いかけてくる」

ミーナ「地上人が空を飛ぶ技術を手に入れたって聞いたけど、この程度なら追いつけるわよ、もう逃がさないわよ」

ミーナがのび太くんに手をかけようとするとき、突然どこからか光線が走りそれを阻む。

ミーナ「何、これは思わぬ邪魔が入ったわね、でも、あきらめないわよ」

と、ミーナが飛び去っていく。その一方で物陰から一人の男の子がその様を見守っていた。

のび太「え、なんだろう、でも助かったし、一度家に帰って・・・・・」

と、一旦地上に降りてから、

「ドラえも~ん!」

と家へと駆け戻っていく。

 

のび太くんが家に戻るや、茶の間からとある男の子の声が聞こえてきた。

男の子「・・・ソレデ、ノービタ君ニハ道案内シテモラッタンデース。チョット迷ッチャッタデスケド」

ママ「まあ、それはそれは」

そののび太くんが茶の間をのぞき込む。するとその男の子がのび太くんに駆け寄ってくる。

男の子「オー、ノービタ君デスネ、オ久シブリデース!」

のび太「え、えーと、君は、誰」

しかし男の子は耳元でささやく。

男の子「そのまま話を合わせて・・・・・」

のび太「え、あ、うん・・・・・」

そのまま男の子はママに告げる。

男の子「アノオ母サン、二人ッキリデオ話シタイデスガ、イイデスカ」

ママ「あ、はい、結構ですよ」

ということで、のび太くんと男の子は2階の部屋へと向かう。そこにはドラえもんが座って佇んでいた。

ドラえもん「お帰りのび太くん、でこの子は誰、って、まさか」

男の子「はい、お久しぶりですドラえもんさん、僕はルウ。ムー連邦軍隊長となったエルの弟です」

のび太「ルウ、エル、あれ、どこかで聞いたみたいだけど」

ドラえもん「のび太くん、先のキャンプで知り合ったあのエルの弟だよ」

のび太「ああ、そうだ、君はルウなのか。でもどうして君がここに、って、大変だよドラえもん、さっき変な女の人が学校に現れて先生を投げ飛ばしてから僕のこと聞き出して、僕も逃げたけどしばらく追っかけてきたんだ」

ルウ「やはりそうか、その人もあれの関係者だった。いや実はあの事件以来、あの海域を何度か調べていったけど、ある日潜水艇らしき物体が船に近づいてきたんです、当然こちらも警戒したんだけど、しばらくして遠ざかって姿を消して」

ドラえもん「これって、地上の潜水艦じゃなかったの」

ルウ「いえ、地上のだったらそれ特有の音を発しているけど、今話したのはそれが感じられなかった、つまり海底の船特有のものだったんです」

のび太「そ、それでどうしたの」

ルウ「事態を重く見た首相や長官たちがこの事態を兄さんに調査を言い渡して、その際兄さんがみなさんにも協力してくれるよう僕が呼びに向かわせたんです」

のび太「まさか、つまり、その、先に倒した、鬼岩城が、ヨミがえったんじゃ・・・・・」

ルウ「それも十分にあり得ますね、ともかくみんなを集めないと。あ、さっきのび太さんを襲った女の人、おそらくみんなの記憶を消していったから。その分も説明しないと」

というわけで、ドラえもんとのび太くんたちは、ルウの協力でいつもの空地にみんなを集めていったのだ。

 

つづく

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