ドラえもん・オリジナル大長編:新・のび太の海底鬼岩城(予想)最終回
突然の異変に揺れ動く鬼岩城。その異変にポセイドンのもと、鉄騎兵の一体が駆け付けてきた。
「ぽせいどん様、一大事デス」
ポセイドン「何事だ」
「何者カガ入ッテキテ、出撃待チの兵ヲ蹴散ラシテイマス」
ポセイドン「何だと、これは一体どういうことか」
スクリーンに映し出されたのは何とイカのシルビイだった。
リム「いっけえ、シルビイ!」
ルウ「早く兄さんたちのもとに行って助けなきゃ」
シルビイは応戦する鉄騎兵やバトルフィッシュたちを、たくさんの触手を駆使して機体の残骸でビームを防ぎ、発射されたミサイルを受け止めては敵に投げつけて蹴散らしていく。
そのうちに捕まって神殿へと引き立てられんとするスネ夫とジャイアンを助け出し、そのまま神殿へと進んでいく。
戻ってポセイドン神殿、嘆くしずかちゃんも大立ち回りのシルビイに気付き。
しずか「まさか、あのイカちゃんが・・・・・」
そんな時、ドラえもんのポケットから声が響く。
「泣イテルノ、シズカサン・・・・・」
しずか「だれ・・・・・?」
ポセイドン「なんだ、そこに誰かいるのか?」
ポセイドンもその声に気が付くが、そのドラえもんのポケットから何とバギーが出てきた。
しずか「バギーちゃん」
バギー「ソウカ、コイツラガシズカサンヲイジメタンダネ」
ポセイドン「何だこの車は、者ども、直ちに取り押さえよ」
攻めてくる鉄騎兵を蹴散らしつつ、バギーはしずかちゃんを守るようにポセイドンに立ちはだかる。
バギー「僕ハ、怖カッタンダ。デモ、シズカサンハソンナ僕ヲ励マシテクレタ。ソンナシズカサンノタメナラナンデモスル。コイツヲヤッツケレバイインダネ」
縦横無尽に鉄騎兵を蹴散らすも、やがて徐々に攻撃を受け続ける。しかしバギーはポセイドンに狙いを定める。
バギー「親玉ハ、オ前カ・・・・・」
ポセイドン「う、何をする!?」
ポセイドンめがけて突っ込むバギー。攻撃を受けつつもポセイドンの口に飛び込んでいく。
しずか「バギーちゃん!」
ポセイドン「うおぉぉぉぉ!」
そしてポセイドンは大爆発を起こしていく。爆風に飛ばされつつ。ドラえもんは再び目を覚ます。ともに吹き飛ばされたしずかちゃんのもと、一個の光る玉らしき物体が転がってきた。
ドラえもん「これは一体どういうこと、まさか、ポセイドンが」
崩れ落ちるポセイドン、一方でしずかちゃんは光る玉を拾い上げる。
しずか「・・・バギーちゃん・・・・・」
ドラえもん「これは、バギーのメモリーチップ」
バギー「シズカサン、ヤッタヨ、ヤッタ・・・・・」
バギーのチップはそのまま光を失い、しずかちゃんはチップを両手を包み、胸に抱きしめる。ドラえもんが寄り添おうとしたところ、ポセイドンの残骸が語り掛けてきた。
ポセイドン「・・・いい気に、なるなよ、人間ども・・・たとえ、わたしが、倒れようとも、さらなる、神の、裁きが、お前たちを、滅ぼすで、ア、ロ、ウ・・・・・」
そしてポセイドンも動かなくなる。そこにドラえもんが力強く告げる。
ドラえもん「そんなことは絶対にさせない。だって未来は、みんなのものなんだ」
その時、鬼岩城が再び大きく揺れ動く。
ドラえもん「とにかくここを脱出しよう、この揺れは大きな地震が起きよとしてるんだ」
しずか「・・・うん・・・・・」
2人は神殿を離れていく。
一方でエルは動きが鈍った鉄騎兵に気が付き、反撃に打って出た。
「何、ぽせいどん様ガ」
「ぽせいどん様ガイナケレバ、我ラハドウスレバ、アア・・・・・!」
エル「まさかポセイドンが倒されたのか、よし、僕もここを切り抜けよう」
その時であった、イカのシルビイが駆け付けて、残りの鉄騎兵を蹴散らしていく。周りにはリムとルウとのび太くん、そして助け出したスネ夫とジャイアンもいた。
エル「まさか、シルビイ、それにリムとルウ。一体どうして」
リム「私たちも役に立ちたいと思って駆け付けたのよ」
ルウ「気づかないように後をつけてきたんだ」
のび太「あのテッキヘイ、ポセイドンが倒されたっていったから、きっとうまくいったんだ。早くしずかちゃんを迎えに行こう」
そこにドラえもんとしずかちゃんが駆け付けてきた。
ドラえもん「おーい、みんなあ!」
のび太「ドラえもん、しずかちゃん!」
こうしてみんなは合流した。
ドラえもん「さあ、みんな急ごう」
一向はシルビイに乗って鬼岩城を後にする。その直後、鬼岩城は音を立てて崩れ落ちる。
エル「鬼岩城の最期だ、これで本当に、終わったんだ」
崩れゆく鬼岩城を、みんなしばらく見届けていく。
ドラえもん一行が連邦本国に戻り、鬼岩城のポセイドンが倒されたことを知らされ、ムーの国民はこぞって平和がもたらされたことを祝った。そして、レムリアの中央政府広場では。
首相「勇敢なる子供たちの力によって、世界の危機は回避しえた。我々は、この偉業を永久に語り、たたえ続けようではないか!!」
首相が差し伸べた手の先には、ドラえもんたち、エルとルウ、そしてリムとシルビイが立っていた。彼らの姿が広場上空の画面に映し出され、人々は大いなる歓声を上げる。
母「お父さん、エルが、ルウが、やりましたよ」
ゼルのヘルメットを抱きしめて母が感涙にむせぶ。
ロド「エル、本当によかったなあ」
先輩「ああ、よくやってくれたよ」
感慨深いロドと先輩、長官もうなずき続けて彼らをたたえる。
しかし高官たちはいまいち喜びきれない。いまだドラえもんたちを信じられないというよりも、自分たちの行いにただ恥じ入っているのだった。そこに母と大法官が入ってきた。
母「どうですか、みなさん、これでもあの子たちが信じられないのですか」
「いや、それは」
大法官「あの子たちは自らの身を捨てて世界を救ったのじゃよ」
しずか「いえ、身を捨てたのは私たちじゃありません」
さらにしずかちゃんが両手を前に添えて入ってきた。添えた掌を開くと、そこにはバギーのメモリーチップがあった。
のび太「これは、なに?」
しずか「うん、バギーちゃんのかけら。私、絶対に忘れない」
のび太「そうだね、僕だって、バギーのこと忘れないよ、だって、世界を救ったんだから」
そして高官たちにしずかちゃんが訴える。
しずか「地上の人たちも、ただ魚や海の資源を取りつくしたりはしません。むしろそれらを大切にして、海をきれいにしようと努力をしています。皆さんから見れば遅すぎるかもしれませんが、どうか今一度、私たちを信じてください」
「う、うむ・・・・・」
ここまで言われれば高官たちもうなずかざるを得ない。
そしてエルたちの見送りで国を去るドラえもんたち。
エル「君たちのような立派な地上人と知り合えてよかったよ」
のび太「しばらくは、お別れだね」
のび太くんとエルは、いつかの再会を誓い固い握手を交わす。
エル「いつの日か、海底人と陸上人が、仲良く手を取り合える日が来ることを」
首相「本当に来るのだろうか、そんな日が」
首相の心もエルと同じだが、あえて問うてみた。
ドラえもん「きっときますよ、そんな日が」
こうしてドラえもんたちは連邦を後にし、海底世界の冒険はひとまず幕を閉じたのだった。
その後エルは隊長に昇進し、小さな部隊を任されて国内外の警備にあたる。部隊には弟のルウと首相の娘リムが見習いとして、エルのもとで働いている。
一方しずかちゃんのもと、回収したメモリーから、ドラミちゃんのとりなしでバギーが修理されたのだ。喜んだしずかちゃんを乗せて再びバギーが海をかける。相変わらすしずかちゃん以外にはつめたいバギーだった。
しかし、崩壊した鬼岩城跡地では、何かの人影がポセイドンの残骸から、とある物体を取り出すのだった。そう、危機はまだ、完全には去ってはいなかったのだ。
というわけで、新・海底鬼岩城のお話はこれにておしまいです。来月辺りからその続編である『のび太と海底帝国』をお送りいたします。新たな海の冒険とアトランチスの残党との手に汗握る戦いを繰り広げられることでしょう。
それではまた、お会いしましょう。
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