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特別予想企画:機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズDAWN(仮題)第1話

いさてみなさん、今日から懐かしのアニメレビューをお送りする予定でしたが、やはり最終回の展開を受けて、半ば思い付きと出来心からの勢いでオルフェンズのそれからのストーリー予想を書き上げ、ここに掲載する運びとなりました。

様々な意見を残して最終回を迎えた鉄血のオルフェンズ。編者としても半ばこういった結末もありかと思う一方、やはり歴史的帰結としてはどうかといった思いもある。

例えばギャラルホルンに抗い続け、やがては力尽きるといったシチュエーションは、その後の新たな秩序の形成とともに、ぶっちゃけいえばガンダムダブルオーの第1期最終回と同じような展開ともいえる。もっともあの時の刹那は生き残ったけれど、オルフェンズの場合ダブルオー2期の刹那のポジションを暁が受け継ぐといったところか。

ともかくも新たなる時代には新たなる戦乱、わずかな希望も次代の絶望の苗床といったガンダム的展開を考慮に入れて、それでも希望に向けて戦い抜かんとする暁たちの活躍を期待してストーリーを組んだつもりですが。とりあえずは読むもよし読まぬもよし、場合によっては忘れてもかまわないといった想いもあります。

ひとまずはこういったところですので、それでは、ごゆっくり。

 

第1話:暁に立つ

マクギリス・ファリド事件、ヒューマンデブリ禁止条約締結からさらに時は流れ、多くの犠牲の中で、しかし力づくで築かれた秩序と平和は、わずかながらもほころびを生じつつあった。

まず一人の男が地球の刑務所から出所した。男の名はライド・マッス(声:中原茂)。かつての鉄華団の生き残りと目され、裏社会で怖れられた男であった。彼は司法取引の末、終身刑を言い渡されるも恩赦によって今の出所に至ったのだ。そんな彼をギャラルホルンの輸送機が迎え入れる。

木星圏テイワズではマクマードの死後、アジーが代表の座に就く。お袋さんと慕われる彼女のもと更なる発展がなされると思いきや、今まで抑えつけていた敵対勢力が組織を追われた不満分子と手を組み、徐々にテイワズを脅かしつつある。それでも彼らにも希望はあった。ここ最近になってようやく建てられた名瀬の墓標を前に、彼の息子たる一人の青年が佇んでいたのだ。

火星においては、厄災の申し子と怖れられた三日月・オーガスの子、暁・ミクスタ・オーガスが、弟分のラッシュ~ハッシュとは遠縁で同じ町の出身~と、雪之丞の息子であるもう一人の弟分とともに近所の悪ガキとして名をはせていた。

彼には夢があった。いつかこの宇宙(そら)を駆け巡って名を上げ、その上で馬鹿笑いできるようになりたいという夢が。

彼らは来る日もMW~阿頼耶識システムを参考にした外部制御システムを搭載した~を乗り回して界隈を走り回り、近所のチンピラを懲らしめつつ、やりすぎを元鉄華団の大人たちにとがめられたりと、半ば好き放題の生活を送ってきた。

一方で鉄華団の評判は、かつての“事件”当初は前後の報道から“事件”に加担した暴力組織と称されていたが、“事件”以前の彼らの活動と、以後のユージンたちの活動から次第に再評価されつつある。これは当のギャラルホルンも黙認したことに加え、アーブラウにおいて下院議員として地歩を固めつつあるタカキ~議員選出に先立ち、彼自身阿頼耶識被術者と明かした~や、ある程度裏社会の抑えとなった元鉄華団ライドの存在もあった。

暁たちはそんな彼らと同じように、それでいて彼らとは違うやり方で夢をかなえんとしたのだが。

そんな満たされない日々の中、一人の胡散臭い老人が現れ、3人に3機のMSを見せる。それはかの悪魔の再来と呼ばれたMSであった。

かつての戦いの後、ギャラルホルンによって封印されたはずのその機体、老人の思惑はともかく、それぞれがガンダムフレームのMSに乗り込む。当然阿頼耶識システムは外されているも、代わりにとある男たちの脳からプログラムされた疑似阿頼耶識がそれぞれ組み込まれていた。

「案外残酷だな、エリオン公のおっさんも。また母さんたちが心配するな」と暁はつぶやく。

ともかくこの3機でいつか大宇宙(おおぞら)を暴れ回れるとラッシュたちは喜ぶも、暁はそれをたしなめる。

「俺たちはそこらのチンピラとはわけが違うんだ。母さんやクーデリア先生、ユージンのオジキたちの教えを忘れたのか」

「とにかく乗るんだな。すべてはそこから始まるんだぜ」

と老人にせかされるまま乗り込んだ3人。しばらくしてまず暁の機体が、その後にラッシュたちの機体それぞれがひとまず起動した。ラッシュたちがぎこちない動きに合わせ。暁はかつての父の機体をはじめからうまく操縦できた。

「うまく動かせたよ、バルバトスを、次はどうすればいい、父さん」

暁のつぶやきに、誰かの声が響いた気がした。

(お前の思うがままにすればいいよ。だが決して俺のようになるな)と。

「うん、分かったよ、父さん」と暁もその“声”にわずかに応える。

「やはり血筋だな、三日月。それからエリオン公、本当にこれでよかったのか」と老人もそれを見守りつつ独語する。

荒野を走行する3機のガンダムフレームのMSはやがてかつての鉄華団基地跡へとたどり着く。

しかし異変を察知し駆け付けたユージンとチャド、そしてアトラは夜明けの空に映えるMS、バルバトスとグシオン、フラウロスを目の当たりにし驚愕する。

「バルバトス、どうして、三日月いぃぃぃぃ・・・・・!」

次第に涙をあふれさせついには号泣するアトラ。しかしバルバトスの暁も、母の様を見て驚愕する。

「母、さん・・・ごめん・・・・・」

暁の目にも一筋の涙が流れ、そのまま動きを止める。再び三日月の言葉が暁の脳裏に響いた感がした。

(そうだ、お前は俺とは違う。俺たちができなかったことを、これからお前がするんだ)

いつの間にかアトラの傍らに老人が立っていて、ユージンがその老人、トドに詰め寄る。

「おい、どういうつもりだ、クソじじい!」

「これからが面白くなるんだよ、暴れ回って時代を切り開いた三日月たちのように、今度はあの坊やが未来を切り開くんだよ」

と、トドは不敵に応える。ユージンも突き飛ばすしかなかった。

 

後に暁・ミクスタ・オーガスは語る。

「我が父は、世界を分からなかったバカな男だった。だがわたしはそんな父を誇りに思い、その誇りを背負い、世界を知り戦い抜いたのだ」

その暁の戦いはここに始まるのだった。

 

 

といった展開を考えたのですが、この後、テイワズの青年とともに宇宙を駆け巡りながら、数多くのライバルや災厄の遺産との対峙、地球アーブラウではタカキの政争に巻き込まれたり、ギャラルホルンでは満を持してジュリエッタ、そしてラスタルとの対面。やがては世界を本当に脅かす力に立ち向かい戦い抜くといった展開が待ち受けることでしょう。
ひとまずはこんなところといたしましょう。それではまた。

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