戦争を知っているドラえもん:リアル戦争ごっこ<本当は怖いドラえもん>
かつてのドラえもんの読者のみなさま、ことに50年代以上のご年配の方々は子供同士のお遊びについて覚えているものがあるだろうか。まず男の子同士だったら、鬼ごっこ、かくれんぼ、時にはチャンバラやプロレスごっこ、そして戦争ごっこなどに興じた人もあるはず。
一概に戦争ごっこといえば今どきの人たちは反発や嫌悪の念をあらわにしがちだけど、昔の子供は同述のチャンバラやプロレスごっこやらと同じ、ケンカの一歩手前のお遊びで通っていた。
聞けば泥まみれになりながら、時には膝小僧にすり傷をおいながら遊び回ったことだろう。
そういった具合で戦争ごっこも当時は行われたのたが、それらも先の文句のようにケンカやいじめにつながってしまうのが問題である。哀しきかなそのケンカやいじめも80年代までは“お遊び”ととらえられてしまったのだ。
さておきドラえもんにおける戦争ごっこはまさにリアルまがい、時にはそのリアルさで戦争そのものを皮肉ったものだってある。
例えば武器兵器の類なんかは本物顔負けの威力を持ち、ここでももちろん多少の怪我もいとわない話の流れだった。
その中の一つ、当時のいわゆる冷戦についての危機をギャグの形で皮肉ったお話を紹介することとしましょう。
『ペンシル・ミサイルと自動しかえしレーダー』(ドラえもん+5巻)
ジャイアンたちのいじめに対抗すべくドラえもんにペンシル・ミサイルを出して早速ジャイアンたちを撃退する。しかしそれを察知したスネ夫によってミサイルの何台かを横取りされ、逆にミサイルに狙われる羽目となったのび太くんは今度は自動しかえしレーダーで対抗する。そのうちに両者とも八方ふさがりの状態となり、ドラえもんの提案でミサイルのスイッチを川に捨ててみんなで仲良く遊ぶことにするのだが。
~最後のオチは件のレーダーでミサイルの攻撃を受けんとするといったオチだった。それについてツッコむにミサイルそのものを回収すればいいんじゃなかったかと言いたいけど、結局は世界の危機に対する警鐘にもなっているからという意見に行き付いてしまうということで。
ここまで述べて、戦争ごっこやら戦争そのものの害悪についての討議はともかく、戦争の裏面に何がるのかを考えるのも人間の長い歴史を考えることにもつながると思うけれど。
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