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ドラえもん・オリジナル大長編:新・のび太の海底鬼岩城(予想)その5

結局ドラえもんたちは地下の牢獄に入れられ、政府の法廷で審判を待つのみとなった。

ジャイアン「こんなばかな話ってあるかよ、おれたちはあれからエルを助けたんだぜ。それを捕まってまた牢屋に逆戻り。もとはといえば誰のせいだ、っておれか、あーっ、おれはなんてバカなんだ!」

嘆くジャイアンをよそにドラえもんたちはこれからのことを話し合うのだが。

しずか「私たち、これからどうなるのかしら」

ドラえもん「今それについて話し合っているけどね」

のび太「僕たち、そのミツニュウコクシャだっていうから、死刑になっても文句は言えないって首相さんが言ってたよ」

スネ夫「あいつらずーっと海の底にいたから、心の底まで冷たくなっているんだ」

 

一方で牢屋の詰め所では先に取り上げたドラえもんのポケットを改めていた。

「ところで、あいつらから取り上げたポケットだけど、出てくるものはみんなガラクタばかりだな」

「あの変な帽子の他におかしな道具があると思ったけどな」

「まあいいさ、明日にでもあいつらは処刑されるから、それから後のことを考えればいいさ。それより食事にしようぜ」

と二人の兵士は出したガラクタの山にポケットを捨てて部屋を後にする。それを見計らい、エルの弟のルウがポケットを拾おうとするが。

「・・・ルウ」

ルウ「わっ、リムじゃない。びっくりしたなあ」

声をかけたのは首相の娘リムだった。

リム「もしかしてあの人たちを助けようとしてたでしょう」

ルウ「だって、あの人たちは兄さんを助けたんだよ、それをもう一回捕まえて死刑だなんてひどすぎるよ」

リム「そうね、お父様もやりたくないだろうけど、やっぱり大臣さんたちがねえ」

ルウ「とにかく急ごうよ、法廷じゃ兄さんががんばっているけど、このままじゃどうなるか」

と、二人は詰め所を後にする

 

その法廷では、首相と長官が同席し今まさに審議が始まっていた。はじめ法廷を取り仕切る大法官が開廷を告げる。

大法官「これより、地上人野比のび太、ネコ型ロボットのドラえもん以下5人の密入国及び脱走の罪についての裁定を執り行う。各自公正な意見を述べるように」

まず高官の一人が意見を述べる。

「大法官、彼らは居住の権利を与えた首相の言いつけに背き、この国を脱せんとし、この国の安全を犯そうとしたのですぞ、今やその危険性は明白・・・・・」

エル「異議あり、たしかに彼らを捕まえたのは僕です。その中の二人も危険性を察知し一時拘束もしました。ですが今回の危機に関して、彼らは自分たちの危険をかえりみず僕を救ってくれました。勇敢で心優しい人たちです。どうか無罪の裁定を、地上に帰してあげて下さい」

エルの反論に厳粛と聞き入る首相をはじめ大法官と長官はひとまず頷くが高官の一人がさらに返す。

「冗談ではない、彼らをむざむざ返そうとはばかげている。ここは敵の捕虜と同じく直ちに処刑すべきだ」

エル「そんな、そのような古い考えで彼らを処分しようだなんて、それこそばかげています」

しかし高官たちはかたくなで、それぞれ地上人に対する非難を述べる。

「地上人は海の魚を取りつくして絶滅させようとしている」

「地上の排水などの物質を常に海に流し込んで海を汚染し続けている」

「あまつさえ深海にも乗り込んでいき資源を奪おうともしているのだ」

高官の地上人への批判は、次第にドラえもんたちへの行動にも及んでいく。

「それに彼らは君に追われていることを忘れ、君を助けたといってたが、勇敢というよりうっかりものというべきではないのか」

「あるいはいい格好をしてみたいとも思てっていたのか」

「いかにも地上人らしいな。まったく幼稚なことだ」

ついには高官の間で嘲笑(バカにした笑い)が起こる。はたしてエルも激昂しだす(感情を高ぶらせて怒り出す)。

エル「なんということを、危機に陥っているものをそのまま見殺しに出来ないという人間らしい心をそんなふうに、あなた方は人として恥ずかしくないのですか!」

しかしその言葉にかえって高官たちも怒り出す。

「ぶ、無礼な!」

「我らに対しなんたる侮辱!」

「これ以上の暴言は厳罰に値するぞ!」

大法官「静粛に、静粛に!」

たまらず大法官も卓上の槌で鎮まらせようとするがらちが明かない。そこに傍らで見守っていたロドが、たまらずエルに駆け寄ってさがらせようとする。

エル「は、はなせ!」

ロド「も、もうこれ以上はやめておけよ、あいつらに味方しようとしても何にもならないぜ」

そして高官が大法官に呼び掛ける。

「もはやこれ以上の審議は無用です。この国の将来のために、彼らの死刑を求刑いたします」

大法官「う、う~む・・・・・」

大法官をはじめ、長官や首相も残念そうに首を振る。

その一方で以上のやり取りを上段の傍聴席から見やっているエルの母が憤っていた。

母「なんて人たちだい、あんな子たちをよってたかって罪人扱いだなんて、あの人がいたらどう言うか」

下の柱の裏でも駆け付けたルウとリムがことの事態にやきもきしている。

ルウ「大変だ、このままじゃあの人たち死刑になっちゃう」

リム「何とかこれを届けないとね」

 

しかしそんな折、レムリア上空から飛来した巡視艇が煙を上げて漂っていた。

「なんとか奴らを巻いていたが、くそっ、制御がきかない。このままでは基地や官邸にぶつかってしまう。そうだ、あそこなら・・・・・」

巡視艇はそのまま法廷に向かい、はたして法廷に巡視艇が突っ込んできて大法官や高官をはじめ一同騒然となる。

「な、なんだこれは」

大法官「何じゃ、神聖な法廷に突っ込んできたの!?

その巡視艇から乗組員の兵士が出てきた。

「ちょ、長官、こちら調査艇303、大至急、報告したい議があります」

 

そのどさくさにルウとリムがエルに近づき、その際にリムがエルにしがみついていたロドを投げ飛ばす。

エル「リ、リム・・・・!?

リム「だてに訓練はしていないよ、それよりもエル、このポケットであの人たちを助けられないかしら

エル「今はそれどころじゃないんだ、それに今は危ないから近づいちゃダメだよ。でもこどうして先輩が」

 

戻って調査兵303号に長官たちが近付いてことに次第を聞き出さんとする。

長官「一体なのが起こったのかね」

303「はっ、アトランチスの鬼岩城が活動を再開しました」

首相「何だと、それは本当か」

303「はっ、いつも通り調査地点で監視したところ、突然地震が起こり、それが起動するきっかけとなりました。わたしも事態を重く見てすぐさま本国へと帰還したのですが、途中奴らの船に追われてしまい」

首相「まさかこんなことにならぬよう気を配っていたが」

長官「先にバトルフィッシュが本国に襲来したのもこのせいか」

303「おそらく奴らはこのことを予測してきたるべき時に備えたのでしょう」

首相「ううむ、そんなことになれば、世界の一大事だ」

 

ややあって官邸奥の神殿で、クジラを抱いた女神像の前に、首相と長官、大法官と数人の高官がひざまずいて祈りを捧げていた。

首相「神よ、四海を統べたもうナバラの神よ、ついに来たるべき時が来ました。かつてこの世を焼き尽くした大戦争より幾千年、再びこの世の天地陸海を問わず焼き尽くさんとするアトランチス帝国の遺産、鬼岩城が目覚めるのです。我々には防ぐ手がなくこうしてあなた様に祈りを捧げることしかできません・・・・・」

エル「いえ、まだ一つ、手があります」

と、エルが神殿に足を踏み入れ告げる。

高官「なんだ、また君か」

首相「うむ、それは一体どういうことかね」

エル「はい、アトランチスの奥地、鬼岩城に乗り込んでそこを支配する神ポセイドンを倒すのです」

首相「それが不可能なのだ。君にも分かっている通り、今やアトランチスは永遠の闇に閉ざされ、心ない機械の軍団に守られた死の世界。今までもそれらを撃ち滅ぼさんと乗り込んだ幾百幾千の勇士が、勇戦むなしく倒れていったことか。その中には君の父上、勇者ゼルもいるのだぞ」

父の名にエルも感じ入りつつ、なおも応える。

エル「だからこそです。父さんの意思を僕自身が継がねばなりません」

長官「まさかエル、君が乗り込むつもりか」

大法官「それこそ、あたら若い命を捨てさせるわけにはいかん」

そこでエルはリムから受け取ったドラえもんのポケットを取り出す。

エル「もちろん、僕だけではありません。このふしぎなポケットを持っているドラえもんたちの力を借りなければなりません」

後ろで見守っていたリムとルウがいつの間にか現れ、リムが続けて呼びかける。

リム「お願いお父様、地上の人たちを信じられなくても、あの人たちは信じてあげて。あの人がこの世界を大切にしたい気持ちがあればきっとエルの頼みを聞いてくれるはずよ。だから、あの人たちにチャンスをあげて」

首相「う、うむ、わかった・・・・・」

首相は重くうなずき、その足で地下牢に足を運ぶ。

 

その地下牢、疲れて眠りこけていたドラえもんたちが足音に気付き、いっせいに起き上がる。

しずか「足音が聞こえる」

スネ夫「きっと僕らの判決が下りたんだ」

しずか「こわい!」

まず牢に入ってきたのは長官だった。

長官「出たまえ、首相が君たちに話がある」

言われるままに出てきたドラえもんたち。そこには首相と大法官、数人の高官たち。そして傍らのエルの後ろにルウとリム。さらに後ろにはエルの母も居合わせていた。

首相がドラえもんたちに厳かに告げる。

首相「君たちに、たのみがある。君たちの持っている、ふしぎな道具の力を、貸してもらいたい。世界を救うために・・・・・」

最後膝をついて頼む首相にあっけを取られたドラえもんたちだが、傍らのリムがポケットを差し出し、半ば納得する。まずは自分たちの身の安全が保たれたこと、そして何やら大変なことが起こりつつあることを。

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