第44話:魂を手にした男<ガンダム 鉄血のオルフェンズレビュー>
ギャラルホルンの内乱に際し地下に保管されたガンダム・バエルを手にしたマクギリス。一方自らの正体を明かし彼の打倒を宣言するガエリオ。
それと同じくガエリオ保護のいきさつを通じマクギリスの罪状を語る。それらの報せに動揺するアルミリア。今まで信じてきたものの正体を知るには幼すぎるだけに。
一方オルガたちはライザに今の状況を質すも、とりあえずライザも組織の事情をかさにはぐらからさざるを得ない。すべてはマクギリス次第といったところか。
今まで阿頼耶識は子供のころからの施術でしかできないとはいっていたが、つまりはあれも不完全な技術の上でということで。本格的な施術はアインを実験体に、今までの研究の成果といったところか。それでマクギリスにも阿頼耶識が組み込まれてといったところか。
その阿頼耶識を無用の長物ということでギャラルホルン内部ではタブー視してきたとか。
ともかくもバエルを手にしたマクギリス、それに対するガエリオとラスタルの演説の件で動揺する本部内、そんな中他家の老人を力を背景に説き伏せんとするマクギリス。当然難色を示す老人たち。ことにボードウィン卿はガエリオ殺害に関する事情から拒絶の意を示す。それを抑えてギャラルホルンの完全掌握を要求するのだが。
帰還したガエリオを迎えるラスタル。ラスタルも彼なりに組織の改革を望んでいる上でマクギリスとバエルを異分子として排除せんとする。そして今やマクギリスに対抗戦とするガエリオもまず利害からラスタルに協力する。その上でヴィダールそのものが偽装だというが、やはり本来の姿こそがガエリオ自身のガンダムだというか。
その後謹慎を解かれたイオクが今までのいきさつを詫びる。その上でラスタルもクジャン家の重要性を説き、また今までの組織の歴史を踏まえて、伝説に頼るものと見なしてマクギリスに対することを告げる。いずれにしてもイオクもやはりまだ役に立たなくてはならない。きたるべき戦いに向けて。
放心のアルミリアのもとをマクギリスが訪れる。彼女の手にはナイフが握られていて彼を刺さんとするも、幼心には彼を憎しみきれず、向けられるナイフを突きつけられない。それならばいっそと自らに向けるもマクギリスが文字通り刃をその手で受けて阻む。その上で彼女に対するある程度の本心を告げ、もはや動くことも考えることもできないアルミリアのもとを去るマクギリス。改めて彼の血で染まった手を見続けるしかなかった。彼女もまた自分の腕を血で汚してしまったといったところか。
三日月の帰還とともに告げられたのはヤバい報せが。結局鉄華団もアリアンロッドと正面切って対戦することになった。これも本来回避しえたことなだけにオルガたちの動揺は大きい。実は他家の老人たちは中立を決め込み、結局全軍を掌握しえなくなった以上統合艦隊を中心とするマクギリスと鉄華団だけでアリアンロッドに対しなければならなかったのだ。その上で最後の闘いだと告げるマクギリスだが。対する相手が相手なだけに後戻りもできないがけっぷちの戦いであるとも理解はしていた。
オルガたちが戦闘配備を急がせる中、火星ではメリビットとデクスターが経理事務の傍らこれからの激闘を案じていた。ことにデクスターはCGS時代から虐げられてきた彼らを見て、支えとならんとするも結局は見守るしかなかったと自嘲する。それに対してメリビットは前線で彼らとともにいる雪之丞を、しかしデクスターと同じ気持ちで案じていたのだ。
戻ってイサリビ内での整備の中、勝ち目薄い戦いを前に不安と不満を訴えるザック、しかし雪之丞はそんな彼に同意する。たしかにザックの言い分も正論ではあるのだが、それが通じない場合だってあるから、ほとんどの場合。
一方ヴィダールからの換装を待つ素顔のガエリオを訪れるジュリエッタ。人ならざる力と述べるジュリエッタに対し、ガエリオは人だからこそ使用できると返す。その上でかつてのアインをジュリエッタに重ね、その信念を護るようにとも諭すガエリオだった。
もう一方でシノもユージンも、今までのオルガの行動、そして彼の火星の王への路を彼らなりに案じている。すべては彼とともに行動し彼とともに歩まんとしている彼らなりの心遣いともいえるだろう。
改めてアリアンロッド迎撃戦の概要を聞かされ、その上で味方の犠牲もほのめかされ、思わず手が出てしまうオルガ。マクギリスも今更殴られたくらいでたじろくわけでもなし、これもオルガなりのケジメとして受け止めたのだ。その上で最後まで付き合うと告げるオルガ。もはや何が起こるか分からない、もちろん自分たちの運命も分からない。その上で誰もが最後の戦いと肚を決めて臨むのみであったのだ。
しかしアトラはやはり不安の色を隠せずひとまずクーデリアと連絡を取り合う。三日月がいつか離れていくおそれを訴えるも、クーデリアも戦いの中でしか彼らとの絆がなかったことを踏まえたうえで、三日月を寄り添えるのはアトラ自身だと告げる。たしかに前期のエピソード以来クーデリアと鉄華団との関係は疎遠になりつつあるのは間違いないが。
そんなアトラは再び三日月と二人きりの場を得るが、戦いの場で生きられない三日月を待つのみのアトラ。そんな彼女を抱きしめる三日月。戦いのみしか生きられなかった三日月もあらためてアトラをはじめ家族を守るために戦うと告げる。アトラもまたその想いを受け止めるだけしかできなかった。そして火星で彼らを見守るのみのクーデリアもまた。
ここにラスタル率いるアリアンロッド艦隊とマクギリスと鉄華団。互いの信念と信念。そして世界の未来をかけた最後の戦いが始まるのだった。
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