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ONE PIECE女学院第10話:非情のお茶会(中編)

お茶会当日、会場はサンジ、とその姉妹イチジュ、ニジュ、そしてヨンジュのその下には4人が舞台に立ち、その下には哀れな犠牲者もとい招かれた客人としてハンコック率いる執行部、ペローナら三バカ、そしてベッカムとヴィオルン、彼らの下手にルフィたち、ミホーク、そして陰にプディングが構えていた。

イチジュ「それじゃ、改めていいわねサンジュ、誰が一番お客をもてなせるか、その数と満足度で勝負を決めるのよ。まあ、もっとも落ちこぼれのあんたには理解しろとは言えないけれどね」

サンジ「御託はいいわ、とっとと始めましょう」

その様を下手のベッカムがヴィオルンに何やらを尋ねる。

ベッカム「ねえヴィオルン、ここはサンジちゃんを応援したいところだけど、他の人たちのお茶が美味しかったらどうしよう」

ヴィオルン「まあここはサンジ君のお茶におれも期待はしたいんだが、たしかにお茶の心に関しては彼女が一歩進んでいると思うけどな」

そこにハンコックが割って入る。

ハンコック「余としては誰が勝っても問題ない。要は彼女らの眼鏡にかなえればよいのだ」

ミホーク「たしかに、おまえたちならばそれでいいが、相手は彼女らのみではないはずだ」

ハンコック「どういうことだ」

ミホーク「この場を見渡す、もう一つの“見えざる目”がこの茶会を・・・・・」

ヴィオルン「・・・支配せんとしている、そうだろう」

ヴィオルンの言にミホークが頷き、ハンコックも「ふん!」と鼻を鳴らしつつ賛同の意を伝える。

そこにレイジが司会進行を買って出、お茶会の開始を告げる。

レイジ「それではヴィンスモーク家主催の、お茶会を始めます。ルールはいたって簡単、各員のお茶をお召し上がり、それに添えられた余興をなされ、一番ご満足なされた方を選んでいただき、一番支持が多かった方が優勝いたします。まずはイチジュから」

イチジュの茶が用意され、テーブルにはアレキサンダーやマルクスら執行部部員が待機していた。まずはお茶を一杯。そんな中マルクスのカップに小さなカードが隠されていた。

キケロ「うん、お茶はなかなかのお点前だな」

マルクス「あれ、なんだろうこのカード」

アレキサンダー「これが余興ってやつかな、まず読んでみろ」

マルクス「あ、はい、えーと・・・『出されるお茶菓子を召し上がれ』だって」

すかさずお茶菓子が差し出される。なぜかシュガーが配っているのだが。

ウソップ「それで、何でシュガーが運んでいるのよ」

レイジ「アルバイトで給仕役を買って出たんだ」

ウソップ「なんかイヤな予感がするのよねえ」

アレキサンダー「お茶菓子か。まあ食べてみりゃ分かるか」

マルクス「はい、おいしいお茶には美味しいお茶菓子をね、って・・・・・」

サンジ「でも、この匂い、まさか・・・・・!」

サンジが声を発しようとしたが傍らのニジュ、ヨンジュの眼差しにさえぎられた。

マルクスがお茶菓子を口にするや、突然目をかっと見開いたかと思えば口から火を吐き出し、そのまま気を失う。

アレキサンダー「ど、どうした、マルクス」

キケロ「いきなり火を噴いてって、でもおれたちは何ともないぞ」

ハンコック「なるほど、それが卿らのいう余興ってやつか」

イチジュ「これは、聞いてないわよ、こんなの」

キケロにかかえられたマルクスはじめ執行部がひとまずこの場を離れる。思いがけないイチジュもまた動揺を禁じ得ずサンジたちの待機席に腰を下ろす。

ウソップ「これって幻の香辛料タタババスコね、普通は煎ってから調理するものだけど、その料理の風味がたまんないのよ。でもそのままじゃ地獄の辛さだからね」

チョッパー「やけに詳しいのね、ウソップ」

ウソップ「サンジやレオナ(レオ)に教えられたからね。でもマルクス以外にあれを食べた人ってよっぽどマヌケなのね、いずれお目にかかりたいわ」

ウソップの言に、何かしら空気が重くなった感があるが。

続いてペローナ、たしぎ、ボニーとナミがニジュのお茶を味わうことになる。

ペローナ「ミルクがほしいな。まあそのままでもうめェけど」

ナミ「たしかに毒は入ってねェようだ」

ボニー「おーい、お茶菓子はまだかあ!」

たしぎ「ところで僕らの指令は何なんだろう」

ナミ「ああ、おれのカップにあった。なになに『みんなでぶっ飛びましょう』って何だこり!?

気付いたら4人の片足にロープが、体には数本の糸がくっついていた。それが勢いよく引っ張られ、4人とも宙づりとなってしまう。当然くっついていた糸によって服がはぎとられて。

あられもない姿で宙づりとなった4人は当面さらしものとなるのは述べるまでもなかった。当然ルフィたち一部のギャラリーは歓喜の声を上げ続けている。その反面ニジュも事態をつかみかねたまま待機席に戻る。

サンジ「なんかとんでもないことになったわね」

ヨンジュ「ど、どういうことよサンジュ!?

サンジ「そんなこと私に聞いても知らないわよ。ところでどうするのヨンジュ、いやならやめてもいいけれどね」

ヨンジュ「バカにしないでよ、ここは私は先にやるわよ」

というわけで予定を繰り上げ、ヨンジュの番と相成った。悲喜劇の終焉はまだ見えないかにみえた。

 

ということで当初の予定から尺が延びて月末の後編にもつれ込むことになりました。ここはあらかじめご了承のほどを。

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