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ドラえもん・オリジナル大長編:新・のび太の海底鬼岩城(予想)その4

結局ドラえもんたちは先の宿舎に戻され、玄関には兵士が監視として配置されていた。

エル「こうなってしまったことは僕も申し訳なく思ってるよ。当面の間は外出を控えてもらいたい。他のことには不自由はさせないつもりだから。ここには生活においていろんな設備があるから遠慮なく使ってもいいよ。それじゃ」

と、エルは宿舎を後にした。ややあって今後の対策のためにドラえもんが切り出す。

のび太「これからどうするの、ドラえもん」

しずか「帰れないんじゃママたちが心配しちゃう」

ドラえもん「ともかくこのままあの人たちの言いなりにされちゃいられないよ」

のび太「でもどうやって抜け出すの、外には見張りがいるし。見つかれば何されるかわかんないよ」

ドラえもん「その点は抜かりはないよ、この帽子を使って・・・・・」

ドラえもんが帽子のスイッチを押してある程度大きくする。

ドラえもん「さあ早く乗り込んで」

帽子のてっぺんからハッチを開け、すかさず乗り込んでから、帽子が床に溶け込んでいく。

一方地下牢では、あばれ疲れたジャイアンと泣き疲れたスネ夫が力なくへばっていた。

ジャイアン「おれたち、もう出られないのかなあ?」

スネ夫「ママ~!」

そんな時真ん中に大きな帽子が床から現れ、真上からドラえもんが出てきた。

ドラえもん「むかえに来たよ、早く入って」

ジャイアンとスネ夫が帽子に入って、再び帽子が床に溶け込む。

スネ夫「ありかとありかと」

ジャイアン「心の友よ!」

二人の感謝もそこそこに、ドラえもんは帽子内のスイッチで地中を進ませる。

のび太「でもあの帽子にこんな機能があったなんてね」

ドラえもん「海底内ではいろんな危険があるからね、このステルス、つまりかくれんぼ機能もその一つだよ」

しずか「かくれんぼなんて何かかわいらしいわね」

ジャイアン「なんたっていいから、早くこんなとこ抜け出そうぜ」

ドラえもん「もちろんさ。早く街の外に行こう」

ということで帽子は街の地中を進んでいく。

一方エルは久しぶりに家路につこうとするところ、子連れの女の人と出くわした。

エル「あれ、母さんとルウ、今から帰ろうと思ったけどどうしたの」

女の人はエルの母で、子供はエルの弟のルウだった。

母「今あんたがかくまったって子たちに、差し入れしようと思ってね」

エル「それだったら僕も一緒に行こう。きっと喜ぶと思うよ」

ルウ「ねえ兄さん、今日は家にいられるよね」

エル「今から帰ろうとしたけど、その後すぐに彼らにつきっきりさ。その間はルウが母さんを守ってあげなよ」

ルウ「うん」

宿舎についたエルたち。事実を話して母とともに部屋に入ろうとしたが、

エル「あれ、みんなは・・・・・」

母「誰もいないみたいだねえ」

エル「まさか、逃げたのかな」

兵士「いや、監視はしっかりしていたんだが」

エル「なんてことだ、逃げられるわけがない。いやこうしちゃいられない」

ルウ「その人たちを捕まえにいくの」

エル「連れ戻しにいくんだよ、なるべく手荒にはしないつもりさ」

ということでエルは外に飛び出し本部へと向かう。一方で母も兵士に軽く言いつける。

母「長官にはあたしが言っとくから、このことは内密に」

兵士「は、はい、分かりました」

 

ドラえもんたちは帽子のかくれんぼ機能を使い、街はずれまで移動していた。

ドラえもん「街を離れればこっちのものだ」

のび太「でも出口ってどこにあるんだろう」

ドラえもん「とりあえず位置を割り出して、と・・・・・」

しずか「ちょっと待って、何か近づいてくる」

街から巡視艇が現れ、なぜかこちらに近づいてくる。

ドラえもん「まさか、追ってきたのかな、でもこんなに早く、ってまさか」

ドラえもんはポケットの裏に何かが張り付いているのに気づき、取り出したそれは小型の発信機だった。

ドラえもん「まさかこれを見越してのことかな」

スネ夫「やっぱり帰さないつもりなんだ」

そしてジャイアンが「こんにゃろ!」と取り上げた発信器を踏みつぶす。

のび太「困ったなあ、これじゃあうかつに動けないよ」

ドラえもん「こうなったらこんくらべだ。こっちが動かない限り絶対に見つからないからね」

のび太「何だか疲れちゃったよ、ここで一休みにしよう」

ということでみんなで一休みをするのだが。

一方で巡視艇のエル、そして仲間の兵士は、

「なに、反応が消えただと、どういうことだ」

エル「どうやら前もってポケットに張り付けた発信機に気が付いたみたいだ」

「おい、どうするんだよ、エル」

エル「まあ大丈夫だよ、ロド」

と、平然と応えるエルだったが。

ロド「うん、やけに自信あるじゃないか」

エル「ここは海の底だからね、彼らが地上に帰るなら必ず地面から出なきゃいけない。そこを捕らえるんだ。地面を中心に探知の目を張って、そのまま待っていよう」

ドラえもんたちとエルたちが双方にらみ合っているうち、連邦領に1隻の船が入り込んできた。それを連邦軍本部が察知し、軍の長官に報告する。

兵士「長官、未確認物体が領域内に侵入していきます。これは、信じられないスピードです」

長官「うむ、まさかあれではないか。それならば全軍を出撃しなければならない」

ちょうどエルの母が事情を説明しにきて、今回の異変に懸念をする。

母「ちょっと長官、全軍出撃って」

長官「緊急事態です。あれが伝説のバトルフィッシュならば何としても排除しなければなりません。指揮はわたしが取ります。なに、彼らのことは事を荒立てませんよ」

と心配する母をよそに長官以下連邦軍全軍を出撃させる。

 

戻って街はずれ、その船に巡視艇のエルたちも気が付いた。

ロド「ん、ちょっと待て、7時の方向(巡視艇の少し左後ろ)になにかが近付いて・・・うわっ!」

エル「まさか、あれは伝説のバトルフィッシュ」

突然その黒い船、巨大な魚みたいなそれの目が光り出し、巡視艇を攻撃し始めたのだ。すかさず逃げようとするも容赦のない攻撃でみるみる炎上していく。その様をドラえもんたちも気が付いたが。

ドラえもん「何だろうあの船、いきなりエルたちを襲いかかってきた」

ジャイアン「後ろから不意討ちだなんてきったねえぞ」

のび太「ああ、やられちゃうよお」

一方のエルたちの巡視艇もほとんど壊れて落ちようとした。

エル「操作系統がズタズタだ、コントロールが効かない」

ロド「も、もう、ダメだあ!」

そしてついに地面に落着してしまう。そしてバトルフィッシュの口が開き、そこから大きな光が発せられる。

ジャイアン「あいつ、とどめを刺す気だな」

と、帽子のスイッチを押し、地面から出てきて外へと飛び出していく。

ジャイアン「さあ来い、おれが相手だ、叩き落としてやる」

ドラえもん「ああ、ジャイアン、無理するな、こうなったらやるしかない」

ドラえもんたちも続いて出ていくのだった。

ドラえもん「ええと、何かないかな・・・『スモールライト』、一発で出た」

とスモールライトをバトルフィッシュに光を当てて小さくする。同時にバトルフィッシュの主砲が発射され、近くの岩盤を破壊していく。

のび太「危なかったなあ、あれが大きいままだったらどうなったか」

逃げようとするバトルフィッシュをジャイアンが捕まえる。しかしフィッシュは何やら光を放つ。

ジャイアン「うわっ、あちっ!」

たまらずジャイアンが放り投げ、バトルフィッシュは大爆発を起こして自爆する。

のび太「自爆しちゃった、なんだろう、あれ」

しずか「ところでエルさんたちは無事かしら」

みんなが巡視艇に駆け付ける。そこからエルたちが出てきた。

エル「まさか、君たちが助けてくれたのか」

ジャイアン「おおっ、無事だったのか」

スネ夫「よかったなあ」

しかし後から出てきたロドが銃を構える。

ロド「う、動くな、地上人」

エル「ロド・・・・・!」

それと同じく数隻の巡視艇が近付いてきた。その1隻から長官が現れる。

ロド「ああ、援軍が来た、これで一安心だ」

エル「長官、どうしてここに」

長官「本部から察知したバトルフィッシュに備えて駆け付けたのだ。君たちだけでは心もとないと思ってね」

しずか「まさか私たちを捕まえにきたんじゃ・・・・・」

ジャイアン「おいおい、エルたちのピンチを救ったのはおれたちだ・・・・・」

ロド「う、動くな・・・・・!」

ロドが銃の引き金を引き、光線がジャイアンの足元に放たれる。

長官「やめたまえ!」

長官がロドを一喝し(叱りつけて黙らせて)、続いてドラえもんたちに向き直る。

長官「こうなってしまったら致し方がない。わたしも手荒にはしたくはないが、直ちに君たちを確保する。どうか大人しくしてくれたまえ」

こうしてドラえもんたちは再び捕らわれの身になってしまったのだ。

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