エピソード17:仲間を求めて(その25)
さてみなさん、今回のナムカプケイは、ディアボロス攻略並びに仲間回収もひと段落が付き、いよいよ次のシナリオへの準備を行おうとする様をお送りする運びです。果たして次のシナリオは何が待ち受けていることやら。それでは、ごゆっくり。
今までのあらすじ
ディアボロス群との戦いにひと段落を付けた一行は零児たち一行並びに風間仁を回収を成功した。戻った先の天空寺院にて今後の対策を取ることになった。一方新たなる陰謀も着々と進まんとしていた。
インターミッション
<天空寺院・大広間>
天空寺院にて今までの事情を聞き出す零児
零児「してハイデルンさん、俺たちがいない間物質界に何が起きたんだ」
ハイデルン「うむ、森羅の本部が逢魔の残党、というより彼らが秘匿した超兵器、一(はじめ)によって壊滅し、我々がひとまず沈黙せしめたのだが」
零児「そうか、しかし俺たちが無事なら他のスタッフも何とか無事だろう」
小牟「こちらもなんとかなるじゃろ、これだけ戦力が控えていればな」
ハイデルン「まあ何度も言うが、楽観も許されない。これだけは心に致してもらいたい」
零児「それも承知だ」
大巫女「みなさまのご尽力のおかげをもちまして、この幻想界におけるディアボロスの脅威はひとまず収まりました。しかし後ろで糸を引いていたザサラメール殿の次なる手、さらには物質界、魔界の手も気になるところ。そこで提案なのですが、みなさまには当面物質界の対処を専らとして、魔界天界等の対策は我らにお任せ頂けますか」
ハイデルン「それは構わないが、我らはその物質界に戻る術を知らないが」
トロン「それならば前もって修復したゲゼルシャフト号の転送機能が役に立ちますわ。この天空寺院から任意の場所へとひとっ飛びですの」
ラルフ「そいつはいいが、このボロ舟、本当に大丈夫か」
クラーク「たしかにこの舟が一度に乗せられる人員も知れているだろう」
ハイデルン「うむ、ここで物質界調査並びに攻略に当たり、人員の再編成を行いたい」
小牟「ん、どうした零児」
零児「いや、ハイデルンが言っていたDEUS、あれは先の九十九同様、あいつがいなければ動かないはず、それを」
小牟「先の戦いにてもう一つの半身、一(はじめ)は仮の肉体で動かしたと聞くからのう」
零児「そうだ、今しがたあれの原形たるディアボロス、そしてアイオーンを目の当たりにされれば。間違いなく、あいつも」
小牟「黄泉返ってくるか」
零児「ああ、いずれにせよ、厳しい戦いになりそうだ」
一方で寺院の一室で仁が身体を休めていた。
仁「・・・何故、俺を、助けた・・・・・」
シャオユウ「何言ってるの、みんな心配してたんだよ。あのまま目覚めなかったらどうしようと・・・・・」
そこにミゲルが現れる。
ミゲル「三島仁、だな」
仁「風間仁だ、というか、誰だ」
ミゲル「お前は俺のことは知らないようだが、俺はお前を知っている、今はそれだけで十分だ」
ミゲル、仁に拳を放つも、鼻先で止める。
仁「寸止め、か・・・・・」
ミゲル「俺は頭の悪い男だ。言葉では理解はしているが、この拳は抑えきれねえ。お前が三島をどうするかは勝手だが、その後でお前とはケリをつける。それを忘れるな」
仁「ああ、そうだな」
ミゲル、ひとまず去っていく。
シャオユウ「・・・仁・・・・・」
仁「いや、これは俺自身の問題だ・・・うっ!」
仁の頭に飛鳥のゲンコツが飛ぶ。
飛鳥「何言ってんねん、今更自分一人の問題やないやろ、うちかて準おばさんの想い受け継いどるんや」
リリ「こういう乗り掛かった舟は、最後まで漕ぎ切らなければ大海も渡りきれないですわ」
シャオユウ「だから一人だけで戦おうとしないで、私たちも支えるから」
仁「・・・あ、ああ、すまない」
ニーナ「乗り掛かった舟か、当分獲物はお預けね」
マリー「そういうことね」
一方、物質界では
<某研究施設>
一人の少年が巨大な試験管の中に閉じ込められている。その前に建つ三島のエージェント、ブルースが謎の人影に話し掛ける。
ブルース「してこれが“入れ物”の子供か」
「そうだ、いかに封じようとも“器”の呼び掛けに応じて何度でも蘇り動くのだ」
ブルース「それを利用できるかは分からんが、“駒”としては価値があるな」
「それは我々が責任をもって保管しよう。いかなる手を使おうが、我が掌の上だ」
<とある洞窟の氷室>
そこには氷漬けの男とその前に二人の女が立っていた。
氷漬けの男「・・・“彼”の居所は分かりましたか、いかなる手を使おうとも、再びの目覚めは妨げられませんよ」
ブロンドの女「それはそうとあなたの傷の方はどうかしら、ゲーニッツ」
ブルネットの女「今や神楽、そして草薙も異界にいるから、あたしらにとってはやりやすくなってるからね」
ゲーニッツ「しかし油断は許されませんよ。ギースやバーンシュタインをはじめ、各組織の動きにも注意を払わねばなりませんから」
バイス「それは心配いらないさ。まず社が動いてるからね」
マチュア「あっちが私たちを利用するならば、こちらもそれなりに対処しましょう」
バイス「いずれにせよ当面は高みの見物さ」
<サウスタウン、ギースタワー前>
ビルの玄関にて七枷社が執事風の男に足止めを喰らっていた。
社「だからギースに用があるって言ってるだろ」
「こちらも言ったはずです、ギース様には無用な方のご来訪はご遠慮頂くと」
社「・・・てめえ、どうやら血を見なきゃ分かんねえようだな」
「どうしてもまかり通るのであれば、お命の保証は出来かねますが」
社「へっ、いい度胸じゃねえか、それならこちらから、いくゼ・・・・・」
社、異様なオーラを出しかけるが、すかさずギースが割って入る。
ギース「待てい、七枷社よ」
「ギース様・・・・・」
ギース「よい、ハインよ。ここで力を出されては、このビルごと倒してしまいかねんからな」
社「こちらもせっかくその気になってたのによ、だがあんたが出向いてきたなら好都合だ」
ギース「してお前たちオロチの者はわたしに何の用だ」
社「単刀直入に言ってあんたの力を借りてえ。今うちのクリスがネスツにさらわれて困ってんだ。出来るなら助けてえがよ」
ギース「ゆえに我々を利用せんとするか、いい度胸だ。だが貴様も知っての通り三島との盟約、今破るは得策ではない。どうしてもというのであれば、勝手に引っ掻き回していくのだな。後はお前たちの技量しだいだ」
社「そうかい、それなら俺たちも勝手にやらせてもらうぜ。じゃあな、せいぜい仲良くやろうぜ」
と社は去っていく。
ハイン「ギース様」
ギース「よい、手駒というものはああやっておよがせてこそ効果があるのだ、そのあとで我らに噛み付こうがさしたる問題ではない。いずれにせよ楽しみなことだ」
ハイン「・・・ははっ」
ギース「さてもう一つ、今頃“奴”も甦ってくるころだろう・・・・・」
<シャドルー秘密基地>
前髪の女「ということで力を貸してほしかったけれど、まさかこんなに早く帰ってくるなんてね」
ベガ「なに、これも単なるスペアパーツだ。しかしお前たち、このベガ様を頼って何を望む。強きが弱きを喰らい、力が正義を喰らう弱肉強食こそが貴様らの本望ではないのか」
シェルミー「そうは言っても、それだけでは退屈なのよね。私はクリスを助ければそれでいいの」
ベガ「いずれは他の者たちも我がものとしてくれるが、今はその時ではない。お前たちもただ見ているのみでよかろう」
シェルミー「たしかにそうね。それじゃ次まで色好い返事待ってるわよ」
と、シェルミーは姿を消す。
ベガ「フッ、小賢しい」
バルログ「本当によろしいのですか」
ベガ「かまわぬ、我らと奴らとは根は同じ、事が成った暁には奴らとの喰い合いも面白い」
バルログ「フッ、たしかに・・・・・」
ベガ「此度の争乱も、わたしを楽しませてくれるわ」
<幻想界と神界の狭間・神のたまご>
巨大な水晶球を前に、一連の物質界の暗躍をおおかた把握してたたずむザサラメール。
そこにティラが入ってきた。
ティラ「どうやらうまくいったみたいだね、ザサラメール」
ザサラメール「うむ、これでお膳立てはそろったということだ」
水晶球に手をかざすザサラメール。
ザサラメール「して、御気分はいかがですかな」
水晶球に声が響く。
「・・・汝、我を、この場に、封じ込めて、何とする・・・・・」
ザサラメール「なに、わたしが望むはこの世界、そしてこの宇宙の力の根源の探求。御身はその礎となっていただきたい」
「・・・よもや、汝、あれを呼ぶのか、あれは、断じて、呼んでは、ならぬ・・・・・」
ザサラメール「御身が危惧する存在ならば我が探求の先にあるもの。今までの事象はそれより生まれ出でた、いわゆる“力の滓”。それらの根幹が如何なるものか、それが世に何かをもたらすか。それを見届けるはこのザサラメールにとってもささやかな愉悦。そして“抗うもの”たる彼らにはこれから大いに活躍をしてもらおう。あとは物質界で封じられているあれが目覚める刻がくれば。ふふ、せいぜい威引っ掻き回して頂こう」
しかしそれを陰で見やる物影がいた。
ユンナ「・・・・・」
NEXT EPISODE:Battle of REAL WORLD again
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