ムツゴロウさんが教えてくれたこと<本当は怖いドラえもん>
今回は叱ることと教育についての兼ね合いについて、かつての名作マンガ『ムツゴロウが往く』(畑正憲先生著)を織り交ぜながらも多少偏見を持ちつつ軽く述べておきたい。
かつて畑先生が子供の頃、満州の開拓村にてのある時、ムツゴロウ少年が可愛がっていた牛が事故で死んでしまい、その肉を開拓村のみんなで分けあったことにショックを受けてふさぎ込んだところ、父親に厳しく叱責された後で、おごそかに、やがては穏やかに諭されて立ち直ったとか。この場合は根気よく諭してもよかったとも思うけど、時代は第二次大戦前の頃、そうそう豊かでないご時世で嫌が応にも生き抜かねばならない時代でもあったので致し方がなかっただろうし、それが手っ取り早かったろうから。
ともかくどんなに厳しく叱っても、後でその理を諭して分からせることが今更ながらも大切なことだったろう。
ひるがえって我らがドラえもんの場合はどうか、悪いことをすれば叱られたりお仕置きされたりはいいけど、たしかに読者にはひとまずの教訓にもなりえたけれど、のび太くん自身その後のアフターケアが成されていなかったか。
叱られれば叱られれっぱなし、殴られれば殴られっぱなしといった具合で、その理由もあまりよく分からず、あるいはのび太がダメたからというあいまいな理由のみ。ひょっとすればF先生でもあまり考えないきらいもあったに間違いはない。
これは子供の素直さうんぬんよりも子供が大人になるためにかくあるべきと基本的な教育方針による思想の効力かもしれない。
これを時代の違いと切り捨てるのも無責任なので、編者が述べるに、時には厳しい態度で臨むのもいけれど、やはり子供が納得のいく教えをたれることが大切なのではあるまいか。
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