正しいふしぎへの対しかた<本当は怖いドラえもん>
このドラえもんのみならず、大半の藤子F先生の作品。“すこしふしぎ”をキーワードとして、日常から派生したユメのあふれるお話が繰り広げられてきた。
今回もそれをヒネって、その“ふしぎ”の対し方について述べたい。
結論からいえばまずはある意味のび太くんのズッコケをふまえてから、ドラえもんと一緒に“ふしぎ”について調べるというシチュエーションなのかなというのが率直なところ。たとえば率直に分からないところがあって、まずはパパやママあたりに聞こうとしても「そんなことが分からないのか」とまず突っぱねられてしまう。その後でその「ふしぎ」を調べていくというのがお話の流れのひとつとなっている。これもまた、まずのび太くんの“ダメ”を前に出した“ギャグ”なんだろう。
たしかに突っぱねるにしても、いずれの疑問もまず頭を少しひねれば理解できるものばかりで、それが分からない(気が付かない)から叱ったりはやし立てたりするのはやはりどうかと思うのも無理からぬこととは思うけれど。
よくよく考えれば、だれしもがはじめは分からないものはたくさんあるもので、それを“ふしぎ”と感じて興味を持つ。分からないことを教え合ったりするのが「正しいふしぎへの対しかた」ではないか。
ついでにお話の中での“ふしぎ”な世界も、どのように“ふしぎ”なのかを知りたいのも昔の連載に対しての現代の読者の無理からぬ気持ちではないかと思いつつ。ここは純粋に楽しむところであまり余計な考えは、その楽しみを半減させるとも今更ながら思うわけで、その点の兼ね合いも昨今の目の肥えた子供の読者さんとしてはこれもまた「正しいふしぎへの対しかた」ではないかと、大人の意見ながらも述べておきたいことだと思いますが。
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