« 西村アクジ編:おれだってもえてみせるさ・オープニング、草薙京編<バトルコロシアム外伝・ADKうお~ず!> | トップページ | 第16話:華麗なるシア<今更ながらビルドファイターズ・トライレビュー> »

予想企画小説・ファイナルファンタジータクティクス・ジ・アフター(その5)

・勇者の死

オルダリーア、山奥隠れ里の小さな小屋

威国国王ディリータ=ハイラルが世を去ってほどないこの日、異端者と蔑まれ国を追われた真の勇者が天に召されようとしていた。

「アグリアスもムスタディオも逝ってしまった。もうすぐ俺も永い苦労から解き放たれるな」

その時、一人の貴族風の青年が入ってきた。

「父上」

「なんだ息子よ、来るなと言っただろう。万が一俺の素性が洩れてソリドール伯にご迷惑がかかれば如何する」

そこに青年の側近の男がラムザの言を返す。

「いえ閣下が婿どのに赴かれるようお言いつけになられたのです。天騎士の血筋は陛下をはじめ多くの者で護っていくと」

「かたじけないお言葉だな。思えば旅に生き旅に死すが我が運命(さだめ)と定めたが。この地でメリア、母さんが死に、村人が終の住処と提供して下さった。もはや何を望まんかとその日を暮らし、やっと訪れた安らぎの時だ・・・・・」

その時、一人の若者が入ってきた。

「どうも、村人の導きにここに参りました『隠棲の勇者を父の遺言で訪れる』でよろしいでしょうか」

「やはりそなたは我が甥か、そなたの父、ムスタディオは如何した」

「はい、父が死んですぐに自分が発ち、かれこれ2週間でしょうか」

「2週前か、ずいぶん待たせたな。してそなたの名を聞いていなかったが」

「ファムランです、伯父上」

「ファムランか、いい名だ。利発さはムスタディオそっくりだが、アルマの聡明さはしっかりと受け継いでおる」

「努力、してみます」

ラムザは一息つけ、二人に改めて語り掛ける。

「よいか二人とも、今や家名としてのベオルブは絶えたが、我が父バルバネスより受け継いだ天騎士、すなわち真の騎士の誇りは後代に受け継がねばならぬ。その志を後々の世代に伝えるためにな・・・・・」

「父上!」

「伯父上!」

二人の若者はシーツ上に添えられたラムザの手を握る。ラムザは軽く頷いた後で、窓から差し込んだ朝日の方を向く。

「ああ、アルマ、メリア。もうすぐ、そちらに行くよ。光が、光が、差し込んで・・・・・」

こうして獅子戦争における真の勇者ラムザ=ベオルブはその波乱に満ちた生涯を終えた。

遺言により彼の墓標は何も書かれずにただ一個の石が添えられていた。その墓には絶えず花が添えられ、いつしか”勇者の墓“というささやかな観光名所となりえたのだ。

こうして、彼ら二人の主人公の死によって、イヴァリースの永きにわたった戦乱の時代は終わりを告げた。と記しておいて、

 

・それからのムスタディオ=ブナンザ

この場を借りてラムザのもう一人の友ムスタディオのその後の人生についても語らねばならない。

あの戦乱の後、ラムザがオルダリーアに亡命したのと同時に、彼はまず故郷のゴーグに帰還した。

その後でマラークの隠れ里への隠遁を決めんとしたが、そのマラークに隠遁の必要なしと告げられる。

そもそもゴーグは威国において自治性が高かったのと合わせて、彼もまた教会そのものからはノーマークだったのと、先の事情に関連して、彼を直接付け狙い、街の裏面を支配したバート商会と、それを操った聖堂騎士団、さらにはザルモゥ亡き異端審問会が相次いで壊滅し、ゴーグの自治が守られたことが大きかった。

ともかく自らの身の安全がひとまず確保でき、ラムザが鴎国の隠れ里に落ち着いたのを機に、彼は商人に身をやつして彼の地を訪れた。

はじめラムザと威国の状況を話し合うのが専らだったが、次第に妹アルマと会うことが多くなった。

それは前年、ディリータと結ばれたはずのオヴェリアが自ら命を絶ったことで、彼女の死を一番悲しんだであろうアルマを自分なりに支えんとしたのだ。もちろんラムザも二人の仲を喜んで認めた。

はたしてムスタディオとアルマは結ばれ、一人息子ファムランをもうける。

それからのアルマはゴーグに移り住み、街郊外の簡素な屋敷周辺からは出ることなく、ムスタディオは研究とささやかな外交に力を尽くし、夫婦仲むつまじく幸せな生涯を送る。

ムスタディオの死後、息子ファムランがゴーグを治める頭領に就任して以来、ブナンザ家は代々頭領とそれに連なる地位に就いて、街と家をよくよく護っていく。

やがてアラズラムの著した“ブレイブストーリー”それは教会に隠匿された“デュライ白書”と古の悪魔ルカヴィの暗躍を記した“デュライ黒書”を編纂して真実の歴史を記した英雄戦記。

その書を当時のゴーグ頭領で12代ブナンザ家当主ベスロディオ4世の力添えで世に出ることとなった。

もはや俗化が進み退廃の中にあるハイラル王家はともかく、昔日の権威も消え失せたクレバドス教会にそれらを制肘するだけの力はなかった。そして時代は中世から近世へと移るを待つのみである。

|

« 西村アクジ編:おれだってもえてみせるさ・オープニング、草薙京編<バトルコロシアム外伝・ADKうお~ず!> | トップページ | 第16話:華麗なるシア<今更ながらビルドファイターズ・トライレビュー> »

スクゥエア・エニックス」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1436942/66465178

この記事へのトラックバック一覧です: 予想企画小説・ファイナルファンタジータクティクス・ジ・アフター(その5):

« 西村アクジ編:おれだってもえてみせるさ・オープニング、草薙京編<バトルコロシアム外伝・ADKうお~ず!> | トップページ | 第16話:華麗なるシア<今更ながらビルドファイターズ・トライレビュー> »