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予想企画小説・ファイナルファンタジータクティクス・ジ・アフター(その4)

・英雄王の死

ディリータに引き取られた少女は、名をティータと改め、ハイラル王女として国民の敬慕を一身に集めた。

それはディリータ自身が万事飾らぬ生活を送り、公正な政治を執り行ったこともあわせてのことだった。もはや戦時の彼への疑念は時代とともにかき消えていったかに思われた。

さておきそんなティータも16歳となり、一人の貴族と親しく付き合っていく。

清楚な彼女に対して貴族ながらも朴訥な人柄な彼。それはディリータ自身も認めていたところだった。

そんなある日、父親の伯爵がディリータのもとを訪れた。

「これは伯爵、よくぞ参られた。しかしその出で立ちはただならぬ出来事とお見受けした。たとえば我が娘ティータのことかな」

「・・・左様にございます、陛下・・・・・」

伯爵は白装束、まさに死を覚悟しての面会だった。

「予の登位以来、卿のお父上より伯爵家は恭順の意を表し、文化の面より国の政に携わってきた」

「はっ・・・・・」

「実はな伯爵、ティータのことはご子息に任せてもよいと思い、近日中にその旨を伝えんとしたのだが」

「はあ・・・・・」

「卿も知る通り、予は貧しい家から王にまで上り詰めた。娘ティータについてもどこぞの血筋かは分からぬ。いや、血などはどうでもよい。この国を真に治める為の器として、穢れの少なき血を受け継がせたいのだ」

「はっ・・・・・」

「そこで厚かましいながらも伯爵には二つのことを要請したい、まずご子息には我が王家に婿入りする形を取り、伯爵家の家督はその弟に継がせる。それで、よろしいかな」

「ははっ、仰せのままに」

ということでティータと伯爵長男との縁談はつつがなく行われ、数年後に男児をもうける。その子がハイラル王家の跡取りとなり、威国も復興から繁栄の時代と移っていく。

それを見届けるかのごとく、やがてディリータも病に倒れる。

 

病床のディリータをティータ、その婿とその間に生まれた王子が見舞っていた。

「お父様、御気分はいかがでしょうか」

「ああ、たいしたことではない。俺は永いあいだ戦い続け、やっと訪れた安らぎの時が来たのだ。もはやお前たちに会えぬのは心細いが、いずれにせよ案ずるには及ばぬ」

ディリータは傍らの王子を見やり、手を頭にかける。

「よいよい、泣くな我が孫よ、お前はこれから父上と母上の言葉を守り、この祖父が造った国を守らなければならぬ。人が人として生きるために、なるべく公正な政を行わなければならぬ。それを守られれば、俺は思い残すことはない」

「・・・はい、お爺さま・・・・・」

王子は静かに、力強く応えた。

「ふう、俺は少し疲れた。これで休むことができる・・・・・」

「・・・お父様・・・・・」

眠りに伏したディリータをティータはその手を静かに握りしめる。数日後、ディリータはそのまま静かに息を引き取るのだった。

 

こうして、ディリータ=ハイラルはその激闘の人生に幕を閉じ、遺言により葬儀は簡素に執り行われた。

沿道にはほとんどの国民が列をなして彼の死を悼み、その悲しみとともに郊外のオヴェリアの墓の脇に葬られた。

ディリータは一代限りの英雄だったが。彼の養女ティータの王子が二代目国王となしてから、ハイラル王家は数百年の間、威国の繁栄に力を尽くした。

それと時を同じくして、鴎国においても一人の勇者がその命を終えんとしていた。

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