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予想企画小説・ファイナルファンタジー・タクティクス・ジ・アフター(その2)

・デュライ白書

公式上異端者ラムザは彼と共にいた仲間たちとともに戦乱の最中戦死したとしていたが、実際は隣国オルダリーアに亡命し、ラナード王の保護を受けることになった。もちろんその事実はオルダリーア国府は一切公表してはいない。しかしオーランや威国国王たるディリータには国王の使者の口から秘密裏に彼の生存は告げられたのだが。

 

その日オーランは最後の激戦地となったオーボンヌ修道院跡の浜辺を散策しつつ思案にふけっていた。

「修道院の地下でどれだけの激闘が繰り広げられたかは想像に難くない。しかしあの戦いの中ラムザはアルマとともに生き残った。いかにして還ってきたかまでは分かりかねるが、それはまさに奇跡に近いことだろうが・・・・・」

「・・・その奇跡、教えてやろうか」

そのうちにオーランの前に一人の男が現れた。

「何者だ!?

「俺はマラーク=ガルデナーハ、かつてラムザとともにいた者だ。おっと、何もお前を狙うわけじゃないぜ」

「ならば俺に一体何の用だ。お前は一体ラムザの何を知っている、それにムスタディオ、アグリアスや他の連中は、それに親父のことも・・・・・」

「まあ落ち着け、まずはこの本が全てを知っている」

と、マラークは一冊の本を取り出す。

「何だそれは、まさか・・・・!?

「そう、これがラムザがお前に教えたかった“ゲルモニーク聖典”だ」

その本のことはオーラン自身も知っていた。そしてそれのために大いなる闇に巻き込まれたかをも同じく理解できた。

「すべてが終わった後で、もう自分には必要ないと俺に託したのだ、いずれお前に渡すために。この本を通してラムザの真実を語りたいが、ここでは少しまずい。俺についてきてもらおう。そこにはお前が一番会いたがっている人がいる」

「そうか、分かった」

と、マラークとともに旧大公領へと向かう。

 

それから5年後、オーランはディリータ、そして次期教皇候補にしてオーボンヌのシモン司祭の親友だった枢機卿を同席で卓上に一冊の記述本を差し出す。

「・・・よく調べ上げられたな、オーラン」

「先の戦でヒューネラル猊下をはじめ聖堂騎士団の暗躍は噂に聞きましたが、これほどとは」

実はマラークに連れられた先は、彼と妹ラファの生まれ故郷、再建して今やラムザの仲間たちが落ち延びたいわば“隠れ里”だった。そこには養父オルランドゥ伯もひっそりと暮らしていた。

オーランは養父との再会を果たすとともに、オヴェリアの死を告げ、誓いを果たせなかったことを詫びるも、シドは総てを承知の上だと返す。その上で聖典を通じて自分がラムザとともに見聞きしたことをマラーク、その他の仲間たちの言葉とともに先の戦の“真実”を伝えたのだった。

骸旅団の乱からの出奔、異端者の烙印を押されて後の彼の行動をオーランは4年の歳月をかけて一冊の白書にまとめあげた。その間、自らのことは語り尽くしたかのごとく、シドは世を去った。

しかしとある肝心の事項が白書には記載されてはいない。それは何故か?

ともかくもこの白書を、ますはディリータと枢機卿の立ち会いのもと公開したのだ。

沈黙で見守るディリータはともかく、動揺を隠せぬ枢機卿が口を開く。

「教会の不正はいずれ糺さねばなりません。本当の意味で人々の拠り所にふさわしきものとして。しかしながら・・・・・」

「しかしながら?」

「これを公に開いたとしても、保守派の方々はますます反発することでしょう。そんな中で、その、ラ、ラムザ殿の名誉の回復も・・・・・」

「・・・望むべくもないか。総てが終わって彼も自由に生きんとしている。名誉など些細なこととそうこだわらないだろう。たしかにこの白書は迂闊には公開できるものではない。それに、いや・・・・・」

「・・・・・」

誰もが沈黙でオーランを見守っていた。オーランに言葉に何やらの覚悟を感じていたのだ。そしてそれに応えるかのごとくオーランが重い口を再び開く。

「いずれにせよ、後々にこの白書も伝えねばならない。そのために一つ、俺に考えがある」

 

翌年、次期教皇の選考を決める公会議にて件の白書を差し出すオーラン。

「ここに先の戦争、前教皇の不正の記録がここにある!」

 

ややあって教会の兵に拘束されるオーラン。

「オーラン=デュライ、教会の侮辱容疑で貴殿を逮捕する」

拘束されるオーランの口元にはわずかながら笑みが浮かんでいた。

 

後に異端者として火刑に処されるオーラン。

「汝、異端者よ、裁きの業火でその罪が浄まれんことを、最期の時にあたり言い残すことは・・・・・」

オーランは何も応えない。直ちに刑は執行され、オーランは炎に包まれた。

民衆は誰もが哀しみで燃え尽きる彼を見送った。

しかし高台の上でその様を見守る人物、何と処刑されたはずのオーラン、そしてマラークの二人だった。

「これでお前はこの世から消えたことになった。しかしそれでよかったのか」

実はこの処刑劇は、白書の存在で保守派をはじめ教会の混乱を抑えるための芝居だったのだ。処刑されたのは前もって捕らえた重罪人で、マラークの手によってオーランに仕立てあげられて刑に処され、同じく件の白書は教会によって禁書とされ、とある寺院の奥深くに“保管”されることになったのだ。

ともかくも自らの死を演出して守らねばならないもの、つまりはあの戦争の闇の部分を書き上げねばならないために、この大芝居を打たねばならなかったのだ。

「・・・ああ、重荷が一つとれたまでだ。いずれにせよ・・・・・ごふっ!」

突然咳き込んだオーラン。押さえた手には血が流れていた。

「・・・俺も死ぬ時が少し延びただけだ、仕事を続けよう・・・・・」

去り行くオーランの背を見送りつつマラークも傍らの炎を見やりつつつぶやく。

「あれから大公領は王家、ディリータの直轄領となり、“隠れ里”には教会の手出しもできなくなった。しかし言い換えれば、俺たちの命運はディリータの手の中にある。永い戦いになりそうだ」

とマラークもこの場を去る。そしてオーランの死後、マラークが隠れ里のリーダーとなりディリータとの駆け引きを交えての新威国との共存の路をさぐることになる。

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