さてみなさん、今回のKOFヒドゥンストーリーは紅丸のMI編をお送りする運びです。京のライバルで親友たる彼も、大いなる戦いに身を投じ、また“存在しなかった男”との邂逅もここで演出できたつもりです。果たしてⅩⅣでも“彼”の登場はあるのか、という期待も込めて。
ひとまずこういったところですので、それでは、ごゆっくり。
オープニング
KOFの日本チームの一員として、永年京のライバルかつ親友として彼を支えてきた彼も、最近では独自の路を歩みつつ腕を、そして足技を磨いてきた。
今回サウスタウンの争乱に際して興味本位と京へのお節介を込めて大会への参加を決める。
第4回戦(対アッシュ)
・仕合前
紅丸「次の対戦相手はお前かい、しかしお前とは初めて会った気がしないんだかなあ」
アッシュ「僕もさムッシュ紅丸。でも僕と君の出会いにあえて意味を付けるのなら、そう、運命って奴かな」
紅丸「気色悪いこと言うなよな、しかしそんなに悪い気もしないがよ、いずれにせよ俺も先に進まなきゃいけねえ理由ってもんがあるんだ。悪いが勝たせてもらうぜ」
アッシュ「ふふ、君とも楽しめそうだね」
・仕合後
紅丸「結構手こずらせやがって、しかしどういうことだ、初めのイヤな気も感じられねえってのは」
アッシュ「僕にも使命ってのが芽生えたんだ。君たちと同じようにね、でもここには僕が求めたものは無いらしいけど」
紅丸「いずれこの件についても聞かなきゃならねえかもな。悪いが先に行かせてもらうぜ」
アッシュ「気を付けてね、ふふ・・・・・」
第8回戦(対ルイーゼ)
・仕合前
紅丸「一見場違いなようでこれまた魅力的なお嬢さんだな、俺とデートをしたいのかい」
ルイーゼ「あいにくだけどこんな悠長なことは言っていられないの、それはあなたも承知の上でしょう、でも」
紅丸「まあ、あんたとの仕合は吝かじゃないけれど、俺の力になれるのならば」
ルイーゼ「それならば、ここから先、あなたには闘い抜く覚悟はあるの」
紅丸「そいつは聞くだけヤボってものさ、俺の妙技、あんたも見たいのかい」
ルイーゼ「口で言っても分からないようね、ここで私に敗けた方が、あなたの身のためよ」
・仕合後
紅丸「結構楽しめたぜお嬢さん、さて約束通り、あんたの頼みを聞いてやろうじゃないか」
ルイーゼ「ええ、分かったわ、だったらこれからの闘い、絶対に負けないで」
紅丸「ああ、そいつは任せてくれよ、その後でデートには付き合って、って、まったくせわしねえお嬢さんだな」
第9回戦(対デューク)
・仕合前
屋敷の扉の前に立つ紅丸。
紅丸「いよいよ決勝戦か、しかし仲の奴と闘わなきゃいけねえ、さあ姿を現しな」
扉が開き、デュークが現れる。
デューク「ふふ、“奴”に挑まんとするのは貴様か。だがお前ごときの優男に俺の相手が務まるか」
紅丸「いきなりあご挨拶だな、確かにあんたは腕っぷしには自信ありってところか」
デューク「そういうところだ、だからこそ一言いっておこう、俺を含めここから先、ただの腕試しのつもりならばやめておくことだ、身を引いても多少長くは生き延びることはできるだろう」
紅丸「そういうわけにもいかねえな、俺だってただの優男として見られるのはプライドが許さねえ。全力であんたをブッ倒す」
デューク「ふふ、いい覚悟だ。ならば俺も一撃で貴様を屠るが礼儀といったところ。ならば始めようか」
・仕合後
デューク「何だと、貴様ごとき優男に、この俺が・・・・・」
紅丸「だから言ったろう、俺を優男と侮ると怪我するって、しかしあんたほどのつわものが何を焦っているんだ」
デューク「俺が焦っているだと、くっ、しかしお前の言う通りだ。俺にはあまり時間は残されてはいない」
紅丸「まあ何にせよお前さんの分まで闘わせてもらうぜ。どんな悪党っぽくてもこれだけは礼儀ってやつだ」
デューク「・・・フッ、お節介め・・・・・」
最終戦(対ジヴァートマ)
・仕合前
中央広間にたどり着いた紅丸。
紅丸「ここにいるのは分かってんだ、隠れてないで姿を現しな、こうもイヤな気がプンプンさせられちゃたまんねえぜ」
「ふふ、よくぞここまでたどり着いたな、ここが最後の舞台、そして君の闘いもここで終わる・・・・・」
柱の間から、長身の男が現れる。
紅丸「たしかにあんたで最後っての分かるが、ひょっとして俺に勝つ気でいるってのか」
ジヴァートマ「さてどうかな、さておきわたしこそが君の対戦相手であると同時に、本大会の主催者でもある。”クシエル“を統べる闇の爪、ジヴァートマと見知りおいていただこうか」
紅丸「“クシエル”か、先に京が対した“メフィストフェレス”と何か関連があるってのか」
ジヴァートマ「この星の闇を支配する、秘密結社“アデス”。“メフィストフェレス”も“クシエル”も、その“アデス”が持つ無数のペルソナの一つと思ってもらいたい」
紅丸「なんだかややこしくなってきたが、要するにお前の目的は何だっていうんだ」
ジヴァートマ「強靭な肉体を持つ格闘家を集めるため、と言っておこう。さあ、その肉体を”我々“に委ねたまえ」
紅丸「まったく気色の悪い奴だな、断っても逃げられねえようだから、とっととブチのめしてオサラバだな」
・仕合後
ジヴァートマ「・・・流石だな、まさか、この星の人間に敗れるとは、思わなかったよ・・・・・」
紅丸「まあ、バケモノのようなやつとは今まで闘ってきたが、お前一体何者なんだ」
ジヴァートマ「フッ、いずれ君もその事実に恐怖することになるだろう、“我々”は、不滅なのだよ・・・・・」
と言って姿を消すジヴァートマ。
紅丸「何、消えやがったのか、本当に何なんだよあいつは」
その直後屋敷が音を立てて崩れはじめる。
紅丸「おっと、こうもいっちゃいられねえな」
エンディング
なんとか屋敷から脱げ出せた紅丸。
紅丸「さてと、また面倒なことに巻き込まれちまったな、ってあれは・・・・・」
紅丸の目の前で、まさに京と庵が闘おうとしていた。
京「ケリをつけようぜ」
庵「貴様の死をもってな」
そこに紅丸が割って入ろうとする。
紅丸「また面白いことになってるじゃねえか、京に八神」
京「なんだ紅丸か、ちょっと待ってな、今済ませるからよ」
庵「ふん、邪魔が入ったか、まあいい・・・・・」
と、庵は去っていく。
紅丸「ちょっとお邪魔だったかな」
京「いや、いいタイミングだったぜ、少々物足りなかったがよ」
紅丸「まあこいつは言っても信じねえだろうが」
京「まさか宇宙人が関わってきたってのか」
紅丸「だから信じなくていいよ、今はな」
京「ともかく今は疲れちまったぜ。近くのパオパオカフェで一息つけたいぜ」
紅丸「そうだなあそこで一晩中飲み明かすってのも悪くねえな」
京「いや、ちょうど腹か減ってきた、それにあそこのホットドッグは絶品だっていうからよ」
紅丸「ま、そいつも悪くはねえな」
と、二人ともこの場を去っていく。
(スタッフロールへ)
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