藤子F先生の心のヤミ・至高のネガティブシンキング<本当は怖いドラえもん>
今回は一月遅れの真夏の夜の悪夢話、のつもりで藤子F先生の心のヤミの一端を垣間見ることにいたしましょう。まずはこのお話から。
『ソーナルじょう』
この日スネ夫たちからプールの誘いを受けるも、泳げないからと断るのび太くん。プールに行かずに泳ぎの練習が出来ないかということで、ドラえもんは『ソーナルじょう』を出してきた。これは頭で思ったことをそのまま体験できてしまうといったクスリなのだが。まず泳ぎの練習で幼稚園のプールを想像するも他の園児の邪魔ということで先生につまみ出されたり、浮き輪を使って海で泳ぐ想像をするも大渦やサメに襲われたり、最後日なたぼっこを想像するも肌を焼きすぎたりと、想像の世界でもろくな目にあわなかったそうな。
とはいえこのお話は、かつてのオバケのQ太郎ばりのスラップスティックと受け止められていて、F先生としてもその当時「ああなればこういうズッコケを」という認識で頭をひねって描いたと思う。もちろんこのお話のみを取り上げればその認識は今でも正しいと思う。
しかし、先生本来の性格も相まってか、ここから先のお話である程度活躍したら決まってワルい展開に転んでいくというのがしばしばあった。
先に述べた『しあわせトランプ』や『サイオー馬』のくだりで、いいことの後にワルいことがあるというテツガクもあるけど、それがいわゆるお約束と化してしまい、後々まで引きずってしまったのも述べておきたい。
やはり結果的にワルい展開をとかく考えすぎて結局どうしてもワルいオチになっただろうし、ついには先生自信をも追いつめてしまったとも言えるのではないか。
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