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それぞれのツミとバツ・ぼくがナニをしたというんだ<本当は怖いドラえもん>

さて今回、ドラえもんのお話の中でコミックス(+を含む)に未掲載ながらも、藤子F全集にて再び日の目を見た作品中で、いわゆる最後期の特にひどいお話を、あまり言い過ぎればかえって非難を浴びるのを承知の上で述べたいと思います。

『ゆうどう足あとスタンプ』

ある日ママに外に出るようせかすのび太くんだが、逆にママはのび太くんにおつかいを言いつける。実はこの日も先生が来ることになっていて、叱られた方がためになるといってはじめ取り合わなかったが、あまりにのび太くんがゴネるのでしかたなく『ゆうどう足あとスタンプ』を出してやり、先生を野比家に行けなくしてしまう。

その後おつかいをすっぽかして遊びに行ったのび太くん。スネ夫のラジコンを貸してもらおうとジャイアンに横取りされるのを防ごうと道具で追い払う。

そこにドラえもんがおつかいをすっぽかしたことになぜか腹を立てて徹底的にこらしめるといってスタンプを使って散々あちこち歩かせたあげく先生の家へとおびき寄せて、結局野比家へと向かわせてしまったそうな。

 

このお話は80年代後半にご病気を患い、回復してから間もなくのお話の一つであった。それ以前にも影のあるお話がちらほらと出てきたのだが、その当時も体調を崩されたことも関係はあるだろう。

ともかくもこのお話、まず野比家を訪れんとした先生を退かせることがお話の目的だが、その目的のあと、のび太くんがワルイことをしてしっぺ返しをされるというパターンだった。このお話もその御多分に漏れないことだろうけれど。

問題は今回のお話の流れ、まず最後のドラえもんのお仕置きに対して“悪いこと”といえば「お使いをすっぽかした」といったレベルでそうそう大げさなことではない。それをドラえもんがムキになってこうなったこと。しかもそのお仕置きがやはりひどすぎたこと。

あとせっかくジャイアンを追っ払ったのにスネ夫にラジコンを貸してもらえなかったこともあいまって、まさに踏んだり蹴ったりといったひどいお話となってしまった。

結局はしつけ云々よりも、のび太くんをこらしめる、というよりやっつけることを目的としたお話ということはやはり誰でも理解できることで、実際描いたF先生も当時お話をつくる時点で深く考えず、ただ「悪いことしてお仕置きする」といった考えで作ったことは間違いはない。

そもそもここで描かれた時期を調べればやはり88年、この時期は病み上がりの上、安孫子先生とコンビを解消したこともあり、言ってしまえば「心がヨワくなった」がゆえこんなひどいお話を描いてしまったということで、その後もこれが尾を引いてしまったことということか。

 

人間藤本弘の死、漫画家藤子・F・不二夫の死

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