ONE PIECEオリジナル・エピソード・オブ・アラバスタ・アフター(その5)
第5話:再会、ゴローとトト
吹き出る温泉に万歳三唱のゲダツとゴロー、そして土番長。そこに何やら木材を抱えたヒヒが近づいてくる。
「ん、何だこいつらは」
「おお、こいつらは“森番長”大工工事が趣味のイカした奴・・・・・」
ゴローの言葉に反応したのか、ゲダツはすみやかにそのヒヒを倒した。
「ああ、うっかり倒しちゃったか、まあしょうがねェ、こうなったらこいつも手下にしちまいな」
「う、うむ、そうだな」
ひとまず森番長に島と温泉を任せて、土番長に再び乗り込みさらに掘り進んでいく。
「今度はどこに行くのだゴローさん」
「ああ、さっき思い出したんだが、この島とおれの故郷の島は浅瀬でつながっていて、かつておれも小舟で渡ったんだ。そこでトンネルを掘ったらつながるかなと思ってな」
土番長も多少迷いながらも掘り進んでいき、やがて砂漠のオアシスの村に掘り抜いたのだった。
「うん、ここはどこだ?」
「うむ、ここがおれの故郷サンディ島なのは間違いないんだが」
そこに一人の青年、コーサが近づいてきた。
「・・・まさか、ゴロー叔父さんか・・・・・!?」
「おい、おめェコーサじゃねェか、大きくなったなあ。それで兄貴はどうした」
「ああ、こんなところで何だ、いちど家に寄ってきなよ」
というわけでトトの家に招かれたゲダツ一行だが。
「おめェはちょっと大きすぎるな、ちょっと外で待っていな」
と、土番長を家の前に待たせて、ゴローたちはトトの家へと入るのだった。
「・・・というわけで、おれの念願だった温泉がゲダッちゃんたちのおかげで掘り当てられたんだ」
「おお、それは目出度いな、ところでそのゲダッちゃんてのはあっちで後ろ向いてるやつのことか」
「おおっ、これはうっかりしてた、いや面目ない、おれがゲダツだ」
赤面しつつトトの手を握りつつ応えるゲダツ。
「しかしあんたがゴローを助けて温泉を掘り当てたとなれば、すぐにでも見に行かなきゃな。これでこの国も元通りの豊かな国になるな」
「そいつはどういうことなんだ、兄貴」
トトがアラバスタに起こった危機を救ったルフィたちのことを話し出すと、
「何、麦わらの一味だと!?」
「お、おい、何か知ってるのか、ゲダッちゃん」
「うむ、まあいろいろあってな・・・・・」
しばらくゲダツも考え出す。まさか自分を倒して青海に落とした麦わらの一味がこの国を救ったとは。たしかに一味には恨みがあるが、恩義があるゴローの国を救ったこともあって今更むげにはできない。
「・・・あの麦わらがこの国を救ったとなれば、おれもそれ以上の働きをすればいいだけのこと、そうすればおれは麦わら以上の恩人となる。そうなればこのおれの勝ちってわけ、だ・・・・・・」
と、うっかり本音を語り出した。当然ながらコーサたちの表情が多少なりと固まった。
「ゲ、ゲダッさん・・・・・」
そんなコーサの肩を軽くたたき、ゴローが話しかける。
「察してやれよコーサ、ゲダッちゃんも結構大変な目にあってんだ」
ここで少し省みたのか、ゲダツも手をついて懇願する。
「働かせてくれ、この国のために・・・・・!!」
対して3人も二つ返事で応えたのは言うまでもない。
それは、ルフィとウソップが、メリー号の処遇を巡って大喧嘩を始めた頃であった。
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