オリジナル大長編:のび太のからくり城(その13)
いままでのあらすじ
ついにのび太くんたちは城の支配者たる大電皇のもとにたどり着く。しかしドラえもんたちも捕まって連れられてしまう。大電皇はドラえもんたちを解放するためにのび太くんに問答試合を持ち掛けるのだが。
「はじめの問題、“宇宙”とは何か」
「え、ええと、この空のずっと上の・・・・・そうだ、地球の外のことをいうんだ」
突然、のび太くんに軽い電撃が降りかかる。
「かなり抽象的だな、これじゃ正解とはいえない。そもそも宇宙とは本来何もなかったところに何らかのゆらぎが起こり。それから生まれた空間、それが僕や君たちがいる宇宙というんだ」
「な、何言ってんの・・・・・?」
やはりのび太くんにはこの答えは理解できなかったのだが。
「これでも分からないようだね、まあいいさ。続いての問題は「幸福」に君はしあわせについて答えられるかな」
のび太くんは立ち上がりつつ答えようとする。
「バカにすんな、それだったら。テストで0点を取らずにすんで、ママや先生に怒られずにすんで、ジャイアンにいじめられず、しずかちゃんといつまでもいっしょにいられて、それからええと・・・・・」
またもやのび太くんに電撃が走る。
「みんな個人的な欲求だね。もちろん正解じゃないよ。いいかい、幸福っていうのは生きていく中で心が満足のいく状態のことをいうんだ。たとえ環境がどのような状態でもね」
「それは、そちが人類を支配していくことでもか」
お殿様の抗議も聞き流し、大電皇はさらに告げる。
「さて、もう終わりにするかいのび太くん。そうなればいますぐ楽になれるよ」
流石にのび太くんも突からを失いかけるが、それでも力なくながらも立ち上がる。
「ま、まだまだ、僕が、みんなを助けるんだ・・・・・」
その後も大電皇は問題を出し続け、その度にのび太くんは答えては不正解の評価を受け続けた。しかしそれでものび太くんはあきらめなかった。
「・・・ど、どうして、そんなに、傷つきながらも立ち向かうんだ。まさか、これが、人間だというのか、分からない、わからない、ワカラナイ・・・・・」
さしもの大電皇もその気迫(みたいなもの)にたじろいたかにみえた。
そんな時、空間のゆがみとともに1隻の船が現れた。そのはずみでのび太くんは大きく吹っ飛ばされたものの大電皇の束縛から解放された。同じくみんなも自由になれた。
そこでドラミちゃんがその現れた船に驚嘆の声を上げる。
「タ、タイムパトロールの巡視船!?」
その巡視船の中から一人の青年、先に登場したパトロールの隊員、ポンが現れたのだ。
「やあみなさん、ご無事ですか」
つづく
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