世の中いじめっ子だらけ~ダメージリアクションの憂鬱<本当は怖いドラえもん>
今回もいじめについての考察をば。
まずいじめる側は何故いじめるのか、大抵はある意味お遊びというのが大多数だろうけれど、その中でいじめた時の反応が面白かったので次もまたいじめて楽しもうということにもつれ込むといったところ。
今回はそういったいじめられた時の反応、いうなればダメージリアクションについて、いつもながら少しはヒネくれたナンクセながらも述べたい。今回はまず本筋から離れて『キテレツ大百科』のエピソードから。
『うらみキャンデー』(キテレツ大百科)
ある日、ブタゴリラが音梨くんという子供をいじめてサルのようにベソをかいた顔を囃し立てては楽しんでいた。
後にその音梨くんから恨みを晴らす道具を発明してほしいともちかけるが、英一は一度は突っぱねるも、音梨くんの恨みの深さに根負けして結局作ることにする。
はたして『うらみ糖』なるうらみの精神力を形にするキャンデーを食べて生み出された巨大なユウレイでブタゴリラを懲らしめるのだった。
さてこの『うらみ糖』はドラえもんにおける『うらめしずきん』や『たたりチンキ』などと同じような効果の道具だけど。ひとまずこれらのお話は割愛し、うらみキャンデーにての冒頭。音梨くんがブタゴリラにいじめられた時のサル顔。いわゆるダメージリアクションが、ギャグマンガの手法となっているのは周知のところ。
その音梨くんのサル顔と同じ、ドラえもんにおけるのび太くんのジャイアンたちにいじめられ、泣きながら逃げ帰る時の、いわゆる“悔し顔”やのび太くんがドジを踏んだ時のドラえもんの“呆れ顔”も、そのドラえもんにおけるダメージリアクションのギャグといったところで。
つまりはキテレツにおいて音梨くんのサル顔をブタゴリラが面白がったと同じく、のび太くんの悔し顔も基本は面白いので、いわゆるギャグ漫画におけるお約束といったところで毎回出し続けたということだろう。確かに中後期でこれをオチの道具として多用したことがさすがに食傷気味になった読者も少なくはないはず。ちなみにのび太くんは基本音梨くんとは違って人を恨むという感情がそれほど多くはないことも述べておきたいけれど。
それもさておき、そのダメージリアクションからいっつもいじめられて悔し泣きで取り乱すのはみっともないという意見もあるけれど、それならば中後期のお話にて悔しいまま負けじまいで何故に次に活かせないのか、という意見も出ていいはずである。
すなわちその悔しさをばねに仕返しをする。それの良し悪しはともかくその痛快さと、対してやはり中後期その悔しい思いをしたままで終わるオチが大半になってやりきれない想いをした読者も多かったはず。ともかくもそういったダメージリアクションからのいわゆる脱線を編者としても今まで取り上げたこともここで述べておきたい。
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