ONE PIECEエピソード・オブ・ロビン(その1)
さてみなさん、今年最初の記事ということで、エピソード・オブ・ロビンのオリジナル小説をお送りいたします。
まずは第1部、ロビンが革命軍に保護されるいきさつから自分の過去を振り返るといったエピソードをお送りいたします。まあひとまずは今までのダイジェストということで少しはしょる内容なのですけれど。
ひとまずこういったことですので、それでは、ごゆっくり。
話はエニエスロビー、司法の塔から始まる。CP9に捕われたロビンを救うべく集結した麦わらの一味。そんな中、ルフィの心の叫びがロビンの心を動かす。
そしてロビンは心の底からの叫びを放つ。
「生きたいっ!!私も一緒に、海へ連れてって!!」
ニコ・ロビン
かつては悪魔の子と呼ばれ、永年追われる人生を送っていたが、麦わらの一味、モンキー・D・ルフィにと出会い、以後さまざまな試練と冒険をくぐり抜けてきた。
やがてシャボンディにて一味が散り散りとなり、自身も東の海テキーラウルフ・強制労働の大橋に捕われるも、革命軍によって救われ、さらにはルフィのメッセージを受け、再起の時を彼ら革命軍とともにするのだった。
第1章:ロビン・過去を失った女
「ロビンさん、お茶が入りました」
革命軍の船の甲板上、帽子を目深にかぶった男が、ティーセット一式を盆に載せ、恭しくテーブルに添える。
「ありがとう、後は自分でできるわ」
「はっ・・・・・」
ロビンを気づかいつつ、男はこの場を離れる。
ロビンは出されたお茶を一口、ソファに腰を預けひとまず回想にふける。
故郷のオハラにて、調査団の一人として旅立つ母オルビア。一人残された幼いロビンは叔父夫婦に引き取られ、多少疎んじられつつ育てられる。また生まれ持ったハナハナの能力を怖れるがゆえに、子供たちや街の人たちからも疎んじられていた。
そんなロビンを慰めたのは母オルビアの師、クローバー博士ら考古学者で、いつしかロビンも考古学に興味を示し、やがて彼女も若干8歳にして考古学者の仲間入りとなった。
そんな折、巨人族のサウロが流れ着き、同じくオルビアも帰還した。さらにそれらを追って世界政府・CP9のスパンダインが派遣された。
スパンダインは以前からオハラの危険性を察知した政府中枢の指示を受け、センゴクから借り受けた“バスターコール”を発動させる。
発動したバスターコールによる艦砲の容赦ない攻撃は、オハラのすべてを焼きつくし、オルビアとクローバー博士、多くの考古学者は燃え盛る知恵の樹とともに運命をともにした。
一方でサカズキ率いる舞台は、残党狩りと称し避難船への砲撃を指示。躊躇する海兵をつかみ上げ、マグマの拳で焼きつくし、指令を徹底させる。
「やるならば徹底的にだ!!!万が一あの船に学者が一人でも潜んでいたら、今回の犠牲の全てが無駄になる!!“悪”は可能性から根絶やしにせにゃあならん!!!」
変わってロビンを逃がしたサウロもクザンによって凍らされる。その際にまだ見ぬ仲間のことを告げつつ。そんなクザンはロビンを逃がし、ロビンは泣く泣く小舟で故郷オハラを後にする。
後に政府によりロビンの逃亡が発覚し、その首に賞金がかけられる。
その一方でサカズキがロビンを逃がしたことを責めんとするも、そのクザンに避難した民間人を道連れに攻撃したことを咎められる。その様子を別の任務で帰還したボルサリーノが傍目から見守っていた。
ともかくもロビンは永い逃亡の日々を送ることになりやがて王下七武海、サー・クロコダイルのもとについた。後に彼を倒し、自分を助け出したルフィの仲間となり、ようやく自分の居場所と本当の仲間を得るにいたる。
回想から覚めて、ロビンはすっかり冷めたお茶をすすり気分を切り替え、再び思案にふける。
「エニエスロビーの前後、クザンは忠告のために私のもとに訪れた。かつて彼が言った言葉、まだ完全には理解していないけれど。必ず自分なりの答えを見つけてみせる。
対して頂上戦争でサカズキはエース討ち取った、それもルフィの目の前で。彼の徹底的な正義は、あらゆる者を巻き込んでいく。おそらくルフィはいずれ彼と戦わなければならない。そしてクザンもそんなサカズキを決して認めないでしょう、でも。
あとスパンダムは倒したけれど、まだスパンダインが政府中枢にいる。あるいは海軍以上に手強い相手かもしれない。
いずれにしても、私も改めて自らを高めなければいけない」
ふとロビンは船上の空を見上げていた。
そして船は一路革命軍の本拠へと向かうのだが。
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