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ぼくは、ロボット(その2)~のび太と鉄人兵団<本当は怖いドラえもん>

さて今回も、ドラえもんにおけるいわゆるロボットたちの存在意義についてある程度語りたい。
繰り返すようで恐縮ながら、元来ロボットというのは大雑把にいえばある程度の知能(プログラム)を持ち自律で動く機械をさす。そんなロボットたちが人間同様の存在たり得るかを少々脱線しながら前回述べてきた。
今回は人間同様の存在たり得た(かもしれない)ロボットたちが人間と意思を疎通しえるのかを、大長編ドラえもんの『のび太と鉄人兵団』を通じて考察したい。
このお話は86年と2011年に劇場公開された映画の原作として地球に来襲したロボットの軍団“鉄人兵団”とドラえもんたちの戦いをメインにしたものである。
ひとまずは前半の大まかなあらすじから。

ある日、スネ夫のラジコンロボットで意地悪され自分もロボットを造ろうとドラえもんに頼みこもうとするが、ここのところの暑さにウンザリしたのか、イヤになって北極へと逃げてしまう。追いかけるのび太くんはそこで偶然ロボットの足を発見しそれを家に持ち出してから、戻ってきたドラえもんとともに次々現れるロボットのパーツをもとに作り上げていく。
後にリルルという少女がそのロボットについて訪ねようとするが。

さてその当作のヒロインたるリルルは今までのゲストとは違い、敵役たる鉄人兵団側のキャラである。
それがいくらかの暗躍の末、混乱に巻き込まれて負傷し、しずかちゃんに治療をしてもらった後にひとまずは心を開き、兵団の地球侵略を食い止めんと裏切る形となった。
一方では鉄人兵団の侵攻は着実に進んでいき、やがて全面対決とあいなり、このままでは取り返しがつかなくなる。
そこで大昔にさかのぼり、ロボットたちを創った博士に再プログラムを依頼する。はたして戦闘プログラムのみの鉄人兵団は消滅したが、その尖兵だったリルルも消えてしまった。
しかし後日、のび太くんたちのもとにあのリルルが訪れたのだ。改変された世界から再び会うための約束を果たしたかのごとくに。
このいきさつは、思いやりの心を覚えたリルルが始祖のロボットに思いやりの心を教え、自分も生まれ変わったというシチュエーションでもある。
確かにプログラムされたものとはいえ、結果的にはロボットと人間の共存は可能であるという、確かに藤子F先生の願望を込めての結論だったということで。
その後もまた(最近の新アニメ版の放映まで)ロボットを交えた作品もたびたび上映されたけれど、次にそのお話が上映されるならば、彼女もゲストとして出てもいいかなと淡い思いを秘めてはいるのだが。
ひとまずはさらに突っ込んだ考察を次回に譲ることで、ひとまずシメとしましょう。

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