今更ながらルパンレビュー:炎の記憶~TOKYO CRISIS
さて今回は、先月逝去なされた納谷悟朗氏の追悼企画ということで、98年のTVスペシャル『炎の記憶~TOKYO CRISIS~』のレビューをお送りいたします。それでは、ごゆっくり。
今回の舞台は日本のトウキョウ。まずはウオーターフロントに建設されたアクアポリスへと移送する徳川慶喜の写真入りのアタッシュケースの奪い合いからから始まる。実はその写真こそ徳川幕府の財宝のありかが記された写真だったのだ。
しかしその争奪戦をよそにアクアポリスの裏面では恐るべき陰謀が繰り広げられようとした。
その争奪戦でルパンを迎え討つ銭形に今回のヒロインたる雑誌記者の一色まりや。陰謀により停職処分を受けた銭形の支えとなり、やがては自らの過去に立ち向かう。さらに彼女には予知能力があり、それが今回、銭形の助けにもなった。そしてルパンとともに陰謀に立ち向かうのだった。
今回の悪役たるマイケル=スズキ。表は実業家だが、裏ではバイオテクノロジーを利用した死の商人でもある。まりやの父を殺して、父の研究の産物でもあった、超能力を持ったまりや自身の遺伝子を狙おうとしたのだ。
そんな彼の陰謀を退け、いよいよ当初の目的たる徳川の秘宝を狙わんとするルパン一味。しかしそこに銭形がまりやとともに立ちはだかり、いつも通りの追いかけっこが繰り広げられるのだった。
とまあ、今回のお話は、最初の口上で述べたとおり、本来の主役たりルパンはどちらかといえば脇に回り、銭形を前面に出す、まさに「主役は銭形」といえるお話だったのだ。
更にいえば、徳川の財宝云々はスズキの陰謀のカモフラージュの位置づけにしか過ぎなかった。
さらに述べるに、スズキ役の山寺宏一氏は、納谷氏の後を受けて銭形役を引き継いだことは周知のこと。そういう意味でも今回のお話に山ちゃんが出演することは大いなる意味があるとも思う。
あと、今作の題字を手掛けられた特別出演の中島誠之助先生のことも忘れてはならないことでしょうが。
とまあ、編者が述べるのはここまでとして、今回はこれにてシメといたしましょう。
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