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今更ながら『紅の豚』について語る

さてみなさん、今回は春ごろからレビューしようとして、諸般の事情で今まで引き延ばしてしまった、宮崎カントクの作品の一つ『紅の豚』についてお送りしたく思います。それでは、ごゆっくり。

まずは冒頭、物語の説明文が各国語でタイピングされるシーンはルパン以来のパターンといえばそうだろうけれど、この時分で、アラビア語が右から左にタイピングされることを幼い知識となったことを述べたい。戦前までの日本語も確かそうだったはず。
次に配役について、主演の森山周一郎氏、ヒロイン役の加藤登紀子女史、脇を固める桂三枝(現:文枝)師匠と、当作品あたりから有名俳優を起用するのが専らとなった。これはアニメ声優のアイドル化を懸念してのことだろうけれど、しかしもう一人のヒロイン役たる岡村明美女史は今をときめく主力声優となったことは述べるまでもないだろう。

それから本編に入り、時は20世紀初頭のアドリア海。とある魔法でブタの姿となった飛行艇乗りのポルコ=ロッソが、己の誇りをかけ、かつ伊達や酔狂を交えて空を駆ける物語である。
そんな彼のもとには様々な思惑な人間が関わっていく。己の伊達や酔狂で空を暴れ回る空賊団、彼の活躍をやっかむ飛行艇乗り。時の政権下、おたずね者として狙われるポルコを案ずるかつての空軍仲間、そしてアメリカからやってきた男カーチス。
さらには幼馴染でホテルのオーナーにしてシンガーのジーナ。一旦はカーチスに打ち負かされ、大破した機体を修理する際に頼った知人の工場主の孫娘で、後のポルコのパートナーとなったフィオ。そして機体回収の際に助っ人として作業にあたった女性作業員たちと、女性キャラについても結構自己主張が強かったりもする。
さておき物語は飛行艇乗りたちに雇われたカーチスによって大破した機体を改修し、新たなる機体を得たポルゴは、政府の追手を逃れて再び飛び立つこととなる。そしてカーチスの挑戦を受けて、今度こそ己の誇りにかけてその勝負を受けるのだった。
というのが当作品の主なストーリーということだけれども、まあ編者的には後は見てのお楽しみというにとどめておきましょうか。
この作品については特に宮崎カントクのこだわりが随所にちりばめられているのが一番の魅力といえるだろう。
古き良きヨーロッパの街並み、そこに住む人々の生活、そしてなによりもカントク自身の空へのあこがれが飛行艇という形となって現れた。カントク自身は大人のためのアニメ映画という形で製作したのだが、結局は子供にも楽しめる映画ということで、名作の一つに数えられている。
「ブタのおじさんが空のワルモノとたたかい、歌うたいのお姉さんとメカニックの女の子をかけてライバルと空の決闘をする」
こんな説明をすればカントクも怒るだろうけれど、子供の認識はこんなところでいいかもしれない。
まあそうでなくても、今まで培った製作ポリシーもこの映画にしみついていることも挙げたい。
まず空賊が襲撃した際に、子供たちを誘拐しつつも、結構面倒見が良かったり。敵対する飛行艇乗りたちもジーナには頭が上がらなかったり、更には作業を手伝った女性作業員たちはある程度の生活色が表に出たりと、これらの人物描写こそが宮崎アニメの真骨頂といえるだろう。
そして最後のカーチスとの決闘はやがては意地の張り合い、よい意味での人と人とのぶつかりあいが描かれ、最後はある意味お決まりの大団円ともなり得たとは思いましたが。

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