世の中いじめっ子だらけ:ディレクターよ、お前もか・前編
さて今回は、いわゆるアニメ化に伴う編集について、これもナンクセとなるだろうとは思いつつ、結局悪い結果となったいわゆる改悪:カイアクについていろいろと述べたい。
まずは知る人ぞ知るこのお話から。
『おそるべき正義ロープ』
(雑誌掲載時)「正しいのはいつもおれだ」と威張り腐っているジャイアンを懲らしめるべく正義ロープをだしてジャイアンを懲らしめたまではよかったが、そのロープが暴走して町じゅうを混乱させた。どうにか暴走したロープを回収してからジャイアンたちに仕返しをされようとするも、木の枝にかけられたただのヒモに驚いてジャイアンたちは逃げ去ってしまう。
(コミック掲載時)どうにか暴走したロープを回収してからジャイアンたちに仕返しをされようとされて、なぜか再びロープを使おうとするも、そこは芝生の上だった。
~ここはズッコケの要素を入れたかっただろうけれと、かえって変なオチになってしまった。あと初期の7分パート(以下アニメ旧々作版)は雑誌版のオチを採用したけれど。
コミック編集についてあと2本『おかし牧草』の巻にて雑誌掲載版では牧草で育てたおかしたちを横取りしようとするジャイアンを番犬代わりにどら焼きで撃退したのを、コミックス版ではガムで応戦させた。これは純粋にお笑いを取るという点では成功しているのだが。
『大富豪のび太』の巻ではもしもボックスで物価を下げまくった世界にて自分だけおカネ持ちになったことで誘拐犯に襲われたのはコミックスでのあらすじだったが、雑誌版ではスネ夫の警告にとどまっていた。これはいわゆるバチの要素で実際襲われてもいいかなといった感じか。
さてここからアニメシリーズからの抜粋ですが。
『手作りミサイル大作戦』
(原作)ある日コショウミサイルでジャイアンを狙うも、標準がずれて失敗する。逃げ帰ったときにミサイルの設計図を奪われ、それでいろいろ脅迫されるが、後にドラえもんの機転でミサイルを誘導して解決する。
(アニメ旧々作版)標準がずれて失敗してからすぐに返り討ちにあっておしまい。
~これは旧々アニメ版の7分パートだから時間的理由があったろうけれと。
『ユーレイ暮らしはやめられない(ウラメシドロップ)』
(原作)ユーレイになって夜中ジャイアンに仕返しをして、次の日気をよくしていろいろイタズラをしてから同じくユーレイになったジャイアンたちに仕返しをされる。
(アニメ旧作版)後半のイタズラのところをカットされ次の日そのまま仕返しをされる。
~これはストーリー構成に問題があったかもしれない。いずれも同じようなオチだろうけれど。
『アワビとり潜水艦出航』
(原作)いつものように仲間はずれにされて旅行に行けないのび太くんだったが、せめてラジコン潜水艦でサザエやアワビを漁る。ところがそれをスネ夫に奪われるもスネ夫の海パンごと奪い返す。
(アニメ旧作版)奪い返したまではいいが、途中網が破れて海パンしか漁れなかった。
~結局ズッコケオチでシメようとしたのだけれど、こうなれば当時のスタッフの意地悪とも受け止められるけれど。
あと同じエピソードでも旧々版と旧版とでもある程度の改定も行っていたこともあげたい。
『らくがきじゅう』
これはラクガキの罪をなすりつけられたことで仕返しをしようと、いろいろとイタズラをしようとしたが、ここは特にオチの方を述べたい。
(アニメ旧々作版)ジャイアンに先のおじさんの壁で仕返しをしてから、おじさんにも顔にラクガキをして仕返しをしたそうな。
(旧作版)ジャイアンに仕返しをしたまではよかったが、かえっておじさんも「結構いい絵だな」とホメたりもし、やがては仕返しもバレてしまったそうな。
~まず旧々版ではおじさんの責任を問うという形では、それなりに胸のすくお話だったろうとは思うけれど、旧版ではやはりズッコケを、そしてのび太くんの“非”求め、最後には自虐的なオチにもなってしまったということで。
以上ある程度挙げたものだけれど、まあこのように当時ズッコケオチもギャグの形として認識されていたのだけど。そういうのもしょっちゅう続けば醜態となってかえって見苦しいし、ある意味尻切れトンボということでかえってつまらない想いもするのも無理はないけれどどうだろうか。
PS:とまあ、旧作のカイアクについて批判したけれど、8月10日、17日放映分のアワビ取り潜水艦の巻とユーレイ暮らしの巻はちゃんと原作に準拠してましたね。
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