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第4話:重力の井戸の底で<今更ながらガンダムUCレビュー>

冒頭サイアムがかつてのコロニー落とし、若いころ“箱”からもたらされ、現実化された未来のビジョンとともに、カーディアスの死をさとったことから目覚め、同じくダカールにてのネオジオン軍襲撃の報をモニターに目をやる。
 
ダカール戦においてカプールやらジュアックやらとマニア心をくすぐるMSも再登場したなあといった軽い感慨もポイントということで、そもそも装甲と砲撃に特化したジュアック、今風に強化したとはいえ、結構勇戦したかな。
 
そのうち今回の目玉、ネオジオン試作MA“シャンブロ”が現れ、その圧倒的な火力で議事堂をはじめ政府施設を一瞬で破壊する。
 
ダカール攻防戦の一部始終を見届けたサイアム。先に脱出したガエルからこれまでの経緯を告げられる。
 
そしてUCのパイロットに選ばれた、ひ孫にあたるバナージの存在に、宿命的な感覚を覚えていた。
 
更にはロンド・ベル旗艦ラー・カイラムが到来。それを指揮するのは歴戦の艦長ブライト=ノア。ここにきてダカールの惨状を目の当たりにする。
 
さてここで登場したブライト、声は成田剣さんということで。バリリ准尉(ケロロ軍曹)やら海外アニメのとぼけたプレイボーイ役でも有名な人であるけれど。
 
確かに先の鈴置さんに愛着を感じている人もおられることでしょうが、今さらながらに成田さんもしっくりいっているなあとも思ったり。
 
そのダカール戦の後、ブライトはマーセナス邸へと呼びつけられ、不快をあらわにしつつも向かっていた。そのマーセナス邸では、ローナンとマーサがミネバの身柄についての交渉を行っていた。その後ローナンはリディに家と箱の因縁を語り、リディの中に何かが芽生えてしまった。それはミネバに自らの想いをぶつけることでまず吐き捨てる。それを後々に引きずっていくのだな、ということで。一方交渉の方もひとまずは落ち着いたが。
 
一方マリーダはマーサからかつての量産キュベレイを見せられ、そこから顔のないかつての自分らしき幻影に混乱する。流石にアルベルトも動揺を隠せないか、その上で新たなる機体の調整を行うといったところ。
 
マーセナス邸に到着したブライトにローナンは箱探索の依頼をし、ついでリディをブライトに預ける旨も伝える。やはりシリーズの裏の顔といわれるだけあって、ある意味結構頼られているようだ。本人の意思はもちろん置いて。しかしミネバはいち早く邸を脱していた。
 
一方件のガランシェール。砂漠地帯に不時着し、味方の救援を待つ身であった。そこで確保したバナージを連絡役に選び、ジンネマンとともに砂漠を進むこととなる。
 
一方ミネバ、途中のドライブインにて夕食をとり、そこのマスターの老人にて地球の苦難の歴史、それに関わったかつての人々の想いを伝えられる。その想いを受け止めつつ、ミネバは自分を確保するものたちに身を委ねる。
 
バナージも砂漠の踏破で自らのやりきれなさをジンネマンにぶつけ、しかし悪態をつきながらもバナージは歩き続ける。それが自分自身にとって最良の路と理解しているかのごとく。
 
そのひと時の中呉越同舟にすてはやはり哀しいものだった。そのことを知ってか知らずかバナージはただ泣くしかなく、それをジンネマンは見守るのみだった。
 
ともかくも連絡を取ることができ、艦の引き上げにこぎつけられた。そこでジオン残党軍のヨンムとロニとバナージは対面する。
 
一方で本隊はトリントン攻略作戦を決行、各地の残党軍もそれに呼応し彼の地に集結する。
 
ラー・カイラムに着艦し、ブライトとの顔合わせで自らの処遇について意見するリディ。それをブライトは自分の特別扱いと指摘、しかし叱責の後に生き延びるよう言いつけるところは多少は人情味を得ているなともいえる。
 
出撃に際してもトライスターにからかわれるがこれは軽く流していたけれど。

ともかくもトリントン攻略戦の火ぶたは切って落とされ、残党軍の攻勢、ことにネオジオン戦役の遺産たるシャンブロの威力、ことにロニの憎悪による無差別攻撃は、破壊と殺戮をほしいままにしていた。
 
その惨状を目の当たりにし、流石に自分が道具にされるのを拒んだバナージは出撃の許可を求めるがジンネマンは却下。しかし口論の末取っ組み合いとなり、結局折れて出撃にこぎつける。先の和解ムードはなんのその、しかしΖ(ゼータ)より過激というけれどこれも表面上のことだからなあ。

出撃にこぎつけたバナージは何とかシャンディアに取り付き、説得を試みるが過去の怨念にとらわれすぎたロニはやはり受け入れられなかった。そのうちリディが加わりシャンディア攻略に力を合わせるが、やはり目的そのものが違っていたのを挙げたい。リディは初めから倒すのを目的なのだから。
 
そのうち抵抗を続けるロニは先にトライスターに討たれたヨンムの思念により戦意を失っていく。
 
結局最後まで砲撃を拒むバナージに代わり、ビームを奪ったリディがシャンブロを撃ち、ロニはコックピットごとビームの光に消える。こうしてトリントン攻防戦は終わりを告げる。
 
戦いが終わり、結局救えなかった悲しみにむせぶバナージに銃を向けるリディ。UC回収を建前に、実際はミネバの心にあるバナージにたいする嫉妬によるものだろうが。
 
そんな時現れた、1機の謎のMS、それは黒いUCであったのだ。
 
今回はくすぶり続けた15年前の戦争の残滓が一気に爆発した結果としての戦闘ということで、敵も味方もそれに心を奪われた帰結といったところ。さらには今回奮戦したロニもAGEにおけるシャナルアやジラート:レイナのオマージュとなったことも結構やりきれないともいえる。ましてAGEの方は露骨すぎるし。
 
ともかくも今度はマリーダの番か(ちょっとネタバレ)。

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