動物たちの裏切り<本当は怖いドラえもん>
さて今回は、もとは動物好きなのび太くんが、動物たちについてひどい目にあうお話を、いつもながらの視点で吟味したい。
『動物変身恩返しグスリ』
ある日、『つるのおんがえし』のお話を読んで、自分も動物に恩返しされたらなと思い、ドラえもんに『動物変身恩返しグスリ』を出してもらい、たまたま見かけた猫を助けてクスリをかけてやったが、その猫が泥棒ネコで、家でいろいろといたずらをしたので、ママを怒らせて家にいられなくなったのび太くんは、頭にきてそのクスリを捨ててしまう。
しかしそのクスリで溺れてしまったアリンコがいたので、はたしてそのアリンコが化けた女の子にのび太くんは近くの川に突き落とされてしまったそうな。
~このお話について素直に評するなら「動物たちの扱いようにはそれなりの報いがありますよ」または「見返りを求めすぎるとかえって悪い結果になりますよ」といったところ。
まあ後者については半分は納得できる、というかいつものお約束というのでひとまず放っておくとして、今回挙げたいのは前者。
これはのび太くんの本質を見ればちょっとおかしいのではないか、ということ。もっとヒネくれれば「上手をお下手になっている」とか「のび太は悪い子」でお話を進めたということになる。
そものび太くんは、犬に噛まれることもあるけど基本的に動物に好かれる気質であるので、終盤クスリを捨てたくだりもやはり見ようによってはどうかなとも思ってしまう。
以上からこれも後期に顕著だったいわゆるとんち話ということになるが、だからといって動物たちも敵に回す、つまりは裏切らせるというのも躾の手段としてはどうかと思ってしまったけれど。
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