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のび太のジゴクめぐり(その2)<ドラえもん創作ネタ小説>

第1章:ジゴクの門
「おい、起きろ」
暗くよどんだ空のもと、目覚めたのび太くん。起こしたのは小柄で虫の羽をもった生き物だった。
「あれ、ここはどこだろう、君は、誰?」
「ここはジゴクの入り口だ。俺は虫のオニのムシオニだ」
「ええっ、ジゴク、それじゃあ僕は・・・・・」
「いや、最近はお前のような生きた奴が紛れ込んでいるからな」
ムシオニは意地の悪い笑みを浮かべて説明する。
「なんだ、そうだったのか、それじゃあ出口はどこ?」
「キキキ、一度紛れ込んだら出ることは難しいぞ、ともかく、このジゴクを管理するエンマ大王さまにもとに行くんだな」
「ええっ、エンマ大王のもとに?」
躊躇しようとするのび太くんにムシオニは持っていた槍でお尻を刺す。
「ほれ、ボヤボヤしてられないぞ」
「わっ!」とのび太くんは足取りよく歩いていく。やがて一つの大きな門をくぐる。そこには『この門をくぐろうとする者、すべてのキボウをすてよ』と書かれていた。
「キボウをすてよ、か、なんかイヤそうな言葉だなあ」
「キキキ、すぐに分かるさ」
と、二人は入り口の奥へと進んでいく。

第2章:サンズの川
のび太くんたちが歩いた先には。大きな黒い水辺が広がり、ほとりには大きな渡し舟が浮かんでいた。
「ずいぶん大きな舟だなあ、誰がこぐんだろう」
すると岩陰から大きな鬼が姿を現す。
「うーん、何だあ、また渡しの時間か」
「またお客さんだぜ、アカオニ」
「わっ、あ、アカオニだって」
驚くのび太くんにアカオニが一瞥して一言、
「何だ、また紛れ込んだ奴がいたのか。ここは死んだ奴が生きている間に行ったツミをサバくための場所だ、お前のような生きている奴が来るところじゃ・・・・・」
アカオニが言う間にのび太くんは気を失ってしまう。
「何だ、気を失ったのか、だらしない奴だなあ」
「とりあえずエンマ様の所に連れてってやろうぜ」
「そうだなあ、気を失えば死んでるのと同じだ。おとなしくしてろよ」
と、アカオニはのび太くんをつまみあげ、舟に乗せる。
こうして舟はサンズの川を渡って向こう岸のエンマ大王の宮殿へとたどり着いた。

第3章:エンマ大王
「おい、着いたぞ、起きろ」
ムシオニに頭を小突かれ、のび太くんは目を覚ます。
「あ、あれ、ここは・・・・・?」
「ここはエンマ大王さまの宮殿だ。お前はそこでどこに行くのかを調べるんだよ」
見れば目の前に荘厳な宮殿が建っていた。しばらく立ちすくんでいると、そこにヘビの下半身のアクマが現れた。
「あーら、結構かわいい男の子よねえ、さあ、アナタのツミを教えて」
「ええっ、あの、僕は何も悪いことなんて・・・・・」
そのヘビアクマの問いにおびえつつ応えるが、
「うふふ、隠したってダメよ、アタシはヘビアクマのミノス。このシッポですべてお見通しよ」
と、シッポでのび太くんを巻きつけようとしたが、
「あら、アナタ、まだ生きてるのね、つまんない」
さっきとは打って変わってミノスの口調がぞんざいになる。そこにムシオニが口をはさむ。
「こいつは今からエンマ様に会わせなきゃならないんだ」
「もう、それを先におっしゃい。さあ、いらっしゃい、ボウヤ」
のび太くんはムシオニに槍で急き立てられつつ、ミノスに招かれ、エンマ大王の宮殿へと入っていく。そこにはいかにも怖そうなエンマ大王が待ち構えていた。
「よく来たな、わしがこのジゴクの管理を預かっているエンマじゃ」
「ああっ、エンマ大王さ!? 今すぐこのジゴクを出たいんだけど」
「そうあわてるでない、今からこのエンマ帳で調べてみよう、どれどれ・・・・・」
エンマ大王がミノスから受け取ったエンマ帳を通してのび太くんをのぞき込む。するともともと赤ら顔のエンマの顔色がますます真っ赤になっていく。
「ややっ、お前のツミは、頭がワルい、体力もヨワい、運気もヨクないものの、それらを伸ばす努力をせずに、秘密道具とやらに頼り切る・・・・・!」
エンマ大王の言葉にうろたえたが、何かを言いだそうとするのび太くん。
「え、いや、その・・・・・」
「そのくせ、しっぺ返しを食らっては、反省するどころかかえってふてくされるとは、神をも怖れぬ行い・・・・・!」
「・・・だから、それは・・・・・!?
エンマ大王の勢いに押されてか、のび太くんもこれ以上言葉を出せなかった。
「これだけのワルい奴は言いわけの余地はない。今から一通りのジゴクをめぐっていくがよい!!
「えーっ!!
仰天するヒマもなく、エンマ大王の息に吹きかけられて、のび太くんは吹き飛ばされてしまった。その有様をミノスは一言、
「だから言ったでしょう、ジゴクではすべてお見通しだって」
「うむ、ムシオニとミノスよ、先回りしてあの子を見守っていくがよい」
先ほどと打って変わって、落ち着き払った口調で、エンマ大王は告げる。
「へーい」
「分かりましたわよー」
命じられた二人もまた宮殿を後にする。

つづく

次回は月末の予定です、あしからずご了承ください。

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