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ユメとロマンを欲望と履き違えるなかれ・改訂<本当は怖いドラえもん>

さてみなさん、今までややひねくれたドラえもんの本レビュー、その作成に当たり数多くの文献を参考させていただきました。その中でも『「のび太」という生き方』(横山泰行著・ASCOM刊)の中の1論にあえて意見を述べさせていただきます。

それでは、ごゆっくり。

さてここに、横山泰行センセイの『「のび太」という生き方』という本の中、”ドラえもんでもかなえられない夢“という論がある。そこに「宝探し」に関してのセンセイの意見を読み返してみたのだが、どうしても心に引っかかるものがあったので、暴言を承知で述べたいと思う。

この論で挙げられる『宝星』の巻(後述)を通じ、宝探しのネタを欲望の集大成と表し、シメとして「子供たちに叶うユメと叶わないユメを教えようとし、自分でコツコツと地道に努力することの素晴らしさ教えたかったにチガイナイ」と断じた。
しかし、ちょっと待ってほしい。確かに金銭慾が絡んだ話にてはたいてい骨折り損となるのだけれども。
そも宝探しといえば昔は手塚治虫先生の『新宝島』や宮崎駿カントクの『どうぶつ宝島』など、今はさしずめ尾田栄一郎せんせいの『ONE PIECE』と、常に子供たちの夢とロマンをかきたててきたもの。
それを欲望の一言で片付けるのはいかがなものか。たしかに話に冒険がなかったからとも受け止められるのだが。そう、冒険も努力あってはじめて大成するものなのだから、たとえどのような結果に帰しようとも。
もっといえばその記事は、『宝星』や『南海の大冒険』の巻にてドラえもんの「ユメみたいなことを忘れて勉強しろ」というくだりをまる写ししたような文句にも編者的には読めるのだけれど。
もっとも、冒険を絡めての宝探しのお話はほとんどか結局は「ごっこ」に終始しているが。しかしながら冒険の要素を抜かし、さらにはイタズラを企んだとしても、最後には素晴らしい宝を手に入れたお話もある。

『化石大発見』
ある日、スネ夫たちに裏山の宝の地図を渡されるも、今日はいわゆる四月バカということで結局だまされて、さらには隣で化石の発掘をしている研究者のおじさんに邪魔だと追い返される。
そこでからかい半分で昼食の魚の骨やら燃えないゴミやらをタイムふろしきで化石を生成する。
その捏造化石をおじさんに見せ、狂喜するおじさんに流石に良心がとがめたか、そのタネを明かしてしまう。その折に何と新種の三葉虫が姿を現す。おじさんが言うには世紀の大発見ということで、結局はすばらしい宝を見付けることができたそうな。
~もっとも、この場合は財宝ではなく化石ということだけど、まあそれはさておき、
また首尾よく財宝にたどり着いたとしても、うまうまと手にいれるかというとそうでもなく、多少の後ろ髪を引かれる思いとともに(あとドラえもんも一言言うだろうけれど)そのまま放っておくだろう。
実際『のび太の大魔境』にて、王国を救ったドラえもんたちにペコが国の財宝を贈ろうとするも、きっぱりと謝絶したのだ。
まあ要は、大人のモノサシで大人の意見を述べ、子供のユメとロマンをそうそう壊してはいけないと思う。だいいち当時の子供たちだった今の大人たち(編者含む)が今の子供たちにどうユメやロマンを教えようかと迷える時代ともいえるのだから、今は。

最後に横山センセイがカットしたパートを補完してシメとしましょう。
『宝星』
自分も宝を発見したいと、宇宙の宝星を探索せんと意気込むのび太くんたち、いさ見付けたとしても、小さな星のケシ粒くらいの宝や巨大な宇宙人の貯金箱やらと当て外れなものばかりで流石に諦めかけた。(ここまでが横山センセイの引用の要約)
そんなゲンナリとした二人のもと、もう一つの反応が出てきた。
気乗りしない中現地へたどり着いた二人。掘り返してみればやっぱり円形の石の固まりだった。
通りかかった現地人が言うには、その星のお金でそれもかなりの大金だそうだ。
とはいえこの星でしか通用しないので、とりあえずこのお金で土地と別荘を買い、当分の間セレブ気分を満喫することとなったそうな。

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