のび太の堕落論~躾と戒め<本当は怖いドラえもん>
さて今回は、お話の中での躾とそれに伴う戒めについて述べたい。
そも戒めというのは、たとえば「今度0点を取ったらごはん抜き」とか「百点を取ればお小遣いを上げる」とか、ある意味子どもの奮起を促すものだったと思うけれど。対してのび太くんの場合はどうか、ということでこのお話2本をば。
『十戒石板』
ある日ママがのび太くんの躾のためにと家中張り紙をして、書かれた戒めを破るとお小遣いを減らすというものだった。
そこてドラえもんもしっかりと戒めを守ればいいと諭すも、その間にお小遣いを貰えなくなるとゴネて、やむなくドラえもんは『十戒石板』を出すことにする。
これは戒めたいことを石板に刻んで、その戒めを破ると雷が落ちるというシロモノであった。そこで試しに「のび太のお小遣いを減らすな」と刻んだところ、はたしてママに雷が落ちた。
そこで気をよくしたのび太くんはあれこれと自分のために戒めを書きまくるも、最後にはドラえもんの機転により、のび太くんに雷が落ちて戒められたそうな。
~このお話の教訓的要素はこの際置いて、確かに戒めに対して、子供心としての反抗心も分かる。これもあまり戒めが過ぎて実際の生活をがんじがらめにしてもかえって意味がないといったところか。
『ごくうリング』
何とかしてのび太くんのだらしなさを改善しようとドラえもんは『ごくうリング』を出し、のび太くんの頭に取り付ける。
それから何かと怠けようとするとリングで頭を締め付け戒めるのだが、それを聞き付けたスネ夫にこき使われかけたりするも、最後にはジャイアンに取り上げられて事なきを得たそうな。
~これは名前の通り西遊記の孫悟空が三蔵法師に付けられた、乱暴を働くごとに悟空の頭を締め付けて戒める『緊箍児』という環を元に造られたものである。
これもそもそもはのび太くんをしつけるためのもので、掲載当時の教育のあり方を反映したものでもあったりもする。まあそのことについて皮肉をきかせたのか、後半でスネ夫らの介入で脱線してしまった。
まあ今になって指摘するのは野暮だけど、躾は大事なのはもとより、戒めも必要にもなる。それでも戒め過ぎればかえって逆効果にもなるだろうし、要は子供にも納得がいく躾というのも時には必要ではないだろうか。
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