インチキ科学と呼ばないで~中毒の毒・改訂<本当は怖いドラえもん>
最近巷ではタバコやアルコールの中毒について真剣に考えようとする風潮にあるけれど、このドラえもんについてもその問題を考えようとして、結局いつものギャグに陥ってしまったお話を紹介し、その身近な中毒について吟味したい。
『ジャイアンリサイタルを楽しむ方法(ヤメラレン)』
この日もジャイアンのリサイタルが近づきもどかしい日々を過ごしている中、家ではパパがまた禁煙に失敗してしまう。
何とか中毒を治す薬はないかと尋ねるも、ドラえもんは代わりに中毒にする薬『ヤメラレン』を出す。これは薬を飲んだ直後の対象の中毒にするものであり、たとえばニンジンならニンジン中毒、勉強なら勉強中毒といった具合に。
そこでいっそジャイアンのリサイタルの中毒になって事態を乗り越えようとする。果たしてリサイタルに進んで聞き入り熱狂するに至る。それはさしものジャイアンも辟易する結果ともなった。
次いでパパのニコチン中毒を直そうと、薬の力でガム中毒にしてしまう。これでニコチン中毒は回避できることになった、はずだった。
結局のび太くんたちはリサイタル中毒となって落ち着かない毎日を送るようになり、パパも今度はガム中毒でごはんどころではなくなったのだ。ドラえもん曰く、結局この薬は効き目が強すぎた、ということで。
~このお話では中毒について何か役に立つことはないかと言っておきながら結局役に立たないどころか害のみが引き立ってしまったそうな。まあそれはともかく、
その禁煙について、最近ではタバコを止められる薬やら何やらが市販されて、それで何とかなった人もちらほらといるけれど、それまでは自己管理と精神論で何とかするしかなかった。
この場合、当時は中毒すなわち依存症というものはそうそう簡単に治るものではなく、結局は精神が持たなくなり果たして肺がんにもかかってしまう人も後を絶たなかった。
まあ考えてみても、作中に挙げられたニンジン中毒やら勉強中毒その弊害が考えられる。ニンジン好きにするためにニンジン中毒にするのも、確かにビタミンCもβカロテンも体にいいけれどそれだけで身体は造れないし、勉強中毒にしたって高じて不眠不休の末に健康を害しかねないことになるだろう。
今一度タバコの件にて、たとえ禁煙が成功してもそれに代わる心のよりどころもまた必要になってくる。まあガムの件は失敗だとしても、その心のよりどころを探し出し、健康を取り戻すことができれば、本当の意味での禁煙にもなるのだが。
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