今更ながら天空の城ラピュタについて語る・改訂
さてみなさん、今回は日テレ『金曜ロードショー』の常連たる、宮崎駿監督の名作『天空の城ラピュタ』について述べることにします。
まあ名作というものは何度視てもいいものですねえ)水野晴朗氏か。
さてそのラピュタについて、おおまかなあらすじは、
ある日鉱山夫見習いの少年パズーのもとに空から一人の少女シータが舞い降りてきた。
パズーはそのシータが身に付けていた不思議な石をめぐっての逃避行の末、石の秘密と軍部の陰謀を知ることになる。後に成り行きで空賊ドーラ一家と協力し、飛行石に隠された天空の城ラピュタの秘密を突き止める旅に出る。といったところ。
このラピュタは宮崎アニメのなかで編者的には最高傑作だと思っている。たしかに『トトロ』や『魔女の宅急便』等もいい作品はあるけれど、ラピュタに比べればちょっと物足りない感もした。それが『もののけ姫』あたりからまたペースを上げてきた感もしたのが正直なところ。
あと余談だけどシータの飛行石と結び付けて庵野カントクが製作したのが『ふしぎの海のナディア』だったりする。
さておき次に挙げたいのは物語での“食”に対する描写について。思えば宮崎カントクが手掛けたアニメにおいて定評がある要素としても挙げたい。
そもそも物語中での生活の描写、それが“食”を中心にしているのは見逃せないところ。
かつてはハイジにてのパンにかけたチーズ、カリオストロにてのミートボール入りスパゲッティやら後半初めの体力回復のためのルパンの暴食やら、
そしてラピュタにおいても前半の逃走行での目玉焼きトースト、そんな素朴なランチは結構食欲をそそられたもので。他にも、一旦軍にシータと別れさせられ失意のパズーを待ち構えたドーラおばさんたちが囲んだ食卓や、そのドーラ一家と協力することとなったシータが作った飛行船内での夕食、そして冒頭のミートボール入りスープも忘れちゃいけないところ。
ともかくラピュタは手に汗握る冒険とともに、こういった美味しいものを食べたくなった。という気分にさせられたもの。
それから物語を彩るキャラクターたちにスポットを当てることにして、
まず主人公のパズーとヒロインのシータ、
まずパズーは宮崎監督が描いた正統派の冒険活劇の主人公ということで、これはかつての『未来少年コナン』の主人公コナン張りのバイタリティを踏襲したものでもあったりする。
それは後半の手に汗握るアクションがものをいった。これはまさにコナンと肩を並べられる名シーンだろう。
次にラピュタ王家の末裔であるシータはその宿命の重さはともかく、中盤にあたっての生活力の強さに何よりもひかれてしまった。
余談ながらパズー役の田中真弓さんとシータ役の横沢恵子(現よこざわけい子)さんは後にカプコンの『ロックマンDASH』にて再び共演することになる、
空賊の頭目のドーラおばさんといえば『ヤヌスの鏡』に出演した初井言榮女史が声を演じられたのは有名なところ。編者もこの二人をしばしば結び付けてしまうこともあるけれど。
あとシータが年を取ってドーラおばさんのようになるとは編者としてもはじめ信じ難かったが、長男のシャルルの台詞と船長室の昔の肖像を見て、まあ漠然と納得せざるをえなかったが。
それでも後の『千と千尋の神隠し』の湯婆々に比べれば結構普通に見えてしまう。
あと忘れてはならないのが本作の一番の悪役であるムスカの存在だろう。
彼はラピュタの力を利用し、ラピュタの破壊兵器とロボット兵士を使って本気で世界を征服しようとした。
まあそれについてはかつての『未来少年コナン』のレプカに通じるものがあるが、レプカが幾人かの信奉者を使っているのに対し、ムスカは利用した軍部や情報局の側近ですら最後は見捨てて排除した。
それは彼自身もかつてのラピュタ王家(の分家)の末裔だという歪んだ自負心からくるものだった。
まあその要素も先に述べたナディアのガーゴイルにも通じるものがある。
まあ彼自身、滅びの言葉による飛行石の発動によってあっけない最期をとげた。
まあそれでも彼自身、今ではラピュタの影の主役と認知されるに至った、かもしれない。
まあそんなこんなで、この作品は編者を含めて多くの人々の心に残るアニメの名作としてアニメ史の1ページを彩ったのは言うまでもないだろう。
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