ONE PIECE女学院第4話:炸裂!!プリンスパラダイスの巻
今までのあらすじ
孤高の女剣士ゾロ、そんな彼女を愛する三人の美少年が、彼女をめぐり死闘を演じることとなった。
その愛ゆえの闘いにゾロはただ見守るだけしかなかった。
ゾロ(極めて荒れた怒り口調で)「ウソつけコノヤロー、ありゃどう見たって引っ張りあってるだけじゃねえか。ていうかどう収拾つけるつもりだ、てめエ、尾田ア!?
あとヘンなところにおれの顔のせるな!」
ゾロ(女)「ヘンなところ言うなぁ!」
ともかくここから本編をお送りします。
「ヨホホホホ・・・・・!」
突然、ホウキ片手にブルックせんせいが間に入ってきた。
「あれ、ブルックせんせい、どうしてここに」
「ていうか寮の方はどうするのよ」
「お隣のくま子さんが留守を任せていただけたのです、ヨホホホホ」
くま子:寮の隣に住む無口なオバサン。もし空き巣が入ろうものなら、口からのレーザー砲で敵を焼き尽くすだろう。
さておきチョッパー、ウソップの問いに応えつつ、ブルックせんせいはペローナたちの方を向く。
「あなたたち、三人がかりでゾロさんを引っ張り合うなんてあんまりじゃないですか。これ以上ゾロさんに手を出すならば・・・あなたたちのかわいいお珍魂を見せて貰ってもよろしいですか?」
「見せるかー!!」
「おれの身体はこいつらの珍魂以下か!?」
その時である、突然ブルックせんせいの頭上に人影か舞い降り、そのまま頭を踏みつける。
ペローナ「なっ、お前は!?」
ボニー「学院第一生徒会会長のボア=ハンコック」
たしぎ「ああっ、ハンコック先輩」
そう、彼こそが流し目が麗しい美青年ハンコックだった。
「きゃーっ、ハンコック様あぁぁぁぁ!!」
「待ってサンジ、気持ちは分からないでもないけど今は落ち着いて」
とチョッパーがサンジを人間形態で引き留めようとするが、かいなく引きずられてしまう。
そんなサンジには気にも止めず、辺りを一瞥の後、荘厳に口を開く。
「・・・胸騒ぎがすると思うたらこの騒ぎか、余の命にもかかわらずこの体たらくは一体どういうことじゃ!!」
ウソップたちにハンコックは一喝する。しかし反応はあまりない。
ウソップ「たしか言われたのロビンじゃなかったの」
フランキー「まあ、ブルックせんせいと同じく顔を出したかったじゃなかったの」
チョッパー「かえってややこしくなるんじゃないの」
ハンコック「えぇい、ぃやかましいぃ!!」
しかし気を取り直し、ペローナたちの方に向き直る。
「卿ら、これ以上その汚らわしい手でルフィを触りまくるなど・・・何じゃ!!」
何者かがハンコックの背中をつつく。後ろを見やるとそこにはルフィがいた。
「ねえ、ハンコッ君、ルフィここだよ」
そのルフィを確認しつつ、改めて正面のゾロを見やる。
「・・・ふむ、育ちすぎ、少しズン胴、下は・・・いや、頭だけ毛饅頭か」
「ズン胴で悪かったな、それに毛饅頭言うな!」
「・・・な、な・・・・・」
さしものハンコックも動揺を禁じ得ず、ついには、
「なんだらぬらべっちゃあぁぁぁぁ!!」
絶叫するハンコック。しかし気を取り直して「とんもかく、ルフィが無事なのは分かったぬら・・・・・」ともらすと、
「結局おれはどうでもいいんだな・・・・・」としみじみ応える。それに反応してハンコックは、
「・・・卿がごときはどうでもよいのだ、たかだか下賎三匹に引っ張られて取り乱すとは、男子不覚悟である」と返す。
それに対し「おれは女だ!」とゾロが応えると、
「あー、ゾロちゃん、それ30年前のルフィのフレーズ」
と、ルフィの言葉でしばらく辺りは凍りつく。その隙にハンコックが、すかさずルフィの頭を掴んでこの場を去ろうとする。
「ともかく、余と一緒に学院に行こうぞルフィ」
「ああっ、ダメ、ハンコッ君」
「ああっ、ルフィが連れ去られちゃう、お願い、フランキー」
「しょうがないわねえ」
ウソップの呼びかけに、フランキーは予備のメロンソーダを充填する。
「うーん、スゥーパァー、ソォーダ・パゥワァー!」
と、ルフィの足をつかんで、反対側に引っ張る。はたしてルフィの首と両足が伸びるに任せて引っ張られる。
「ああん、ルフィ伸びちゃうぅぅぅぅ!!」
「て、こっちも引っ張りあってどうすんのよ」
と、ウソップは何故かルフィの胴を軽くたたく。それに応えるかのごとくフランキーが足を放し、はずみで足が縮み、反動でルフィの身体ごとハンコックが前方に吹き飛ばされ、頭を大木に叩きつけられる。
しかし流石にヘビ王子(31歳)、ダメージを受けても大きく顔は崩れない。一方のルフィは首が肩に、足が腰にめり込んでしまった。
「ああん、ルフィ縮んじゃったぁ・・・・・」
「あらら、これじゃあ見ちゃいられないわね。まあいいわ。ちょっとフランキー、まだソーダ残ってる?」
「ええ、でもどうすんの?」
フランキーが問うが早いか、ウソップからルフィを受け取り、
「鼻をつまんで息を吹き込んで」
「ああ、なるほどね、それじゃあ、マウス・トゥ・マウス」
と、ルフィに自分の唇を合わせる。一応テレビの前のよい子にはルフィの後頭部しか見えないけれど。ともかくも、ルフィの身体も元に戻るのだった。
一方、体勢を持ち直し立ち上がろうとするハンコックに何故かブルックが眼前に現れる。
「あの、ハンコックさん、かわいいお珍魂を見せて貰ってもよろしいでしょうか?」
「見せられるか、ていうか何故余の珍魂がかわいいと知っておる。ルフィにも見せたことがないというのに!!」
と悪態をつくハンコックをよそに、
「おお、やってるな」
「やっぱり、こいつらか」
ロビンとナミがようやく割って入る。
「ええ、しっかりと」
ウソップが応えてから、ロビンはさらにゾロたちを一瞥する。そして、
「・・・お前ら、今夜どうだ」
「ふざけんなー!」
と返す。はたして三人がロビンに気を取られている間に、
「それは、おれの、セリフだーっ!!」
と、ゾロが両足のボニー、たしぎの頭をつかみ、そのまま背中のペローナにぶつける。
こうして彼女を愛する美少年たちの呪縛から解放されたゾロは、肩で息をしながら、
「まったく、うっとおしい奴らだ」
「結構楽しめたんじゃないの、それはともかく」
ウソップが林の向こうの校舎に建っている時計塔を見やる。時刻は8時半に近付いていた。
「急がないと遅刻よ、今日は朝礼があるから、今度遅刻すれば停学1週間だって」
「ああっ、そうだったー!!」
朝礼まであと5分を切っていた。
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