今更ながら機動新世紀ガンダムXについて語る。改訂
96年にテレビ朝日系列で放映された『機動新世紀ガンダムX』
これは90年前半からのVガンダムに続くいわゆる一連のアナザーガンダムの一つなのだが、また一方でガンダムシリーズにおける一つの帰結点ともいえる作品であった。
それについて、まずガンダムXの主なファクターとして、いわゆるニュータイプの要素がある。
ガンダムにおけるいわゆる宇宙時代に適合したと目される、ニュータイプをめぐっての争乱を軸に、主人公ガロードとヒロインのティファが先の大戦の遺産たるガンダムXを駆り戦い抜くというストーリーである。
中でも印象的なのが、中期あたりのそのニュータイプの要素に合わせ、強化人間たる人工ニュータイプのカリス、中盤のルチルや終盤の『D.O.M.E』やらの、兵器としてのニュータイプの悲劇やらのツボも押さえていた。
まあそれらを踏まえて、二番煎じという批評もあるのはやむを得ないことなのだが。
それでも野心作として制作されたこの作品、先のガンダムW(ウイング)の人気や作風がよすぎたのか、当時人気が振るわず、予定から1クール削減されてしまった。
それでも先のエピソードや連邦の再統一における小国の攻防やらと肝心なエピソードを押さえた作りになったも変わりはないのだが。
と、ひとまずのストーリーはここで置いて、当作品のキャラについて、
まず主人公のガロード。彼はニュータイプではないものの、行動力に富み幾多のトラブルや困難を潜り抜けてきた。そんな彼も後述のティファやジャミルの導きを得て人間的に成長する。まあ今までのタイプから見ればやはりジュドーが当てはまり、それに悲壮感を薄めた感があるかなといったところ。
まあ彼を中心に物語は流れ、敵も味方も(よい意味、悪い意味でも)彼に引き付けられた感も強い。
次にヒロインのティファ。彼女がニュータイプとしてその力を様々な勢力に、そして新地球連邦や宇宙革命軍やらに利用されようとしていた。そんな彼女をガロードやジャミルに救われ以後彼らの導き手となっていく。そして彼女も一人の人間として成長し、ラストの帰結に続いていくといったところ。
そしてフリーデンのリーダーであるジャミル、元ニュータイプ戦士で大戦の遺産たるニュータイプのティファを保護し、後に潜り込んできたガロードを引き入れる。そんな2人を導き、彼自身もまた戦争の宿業を乗り越えんと戦い続けてきたのだ。
話を後半のあらすじに戻して、
数多くの戦いを経てそして事態は地球とコロニーの戦争再開へと流れ込み、その中心にガロードらフリーデンチームが乱入、月の『D.O.M.E』に邂逅し真実を知る。そもそもニュータイプというのは宇宙時代を生きるための一つの方便といったものでそれに翻弄された人たちによって先の戦争が引き起こされたのだ、といったところ。
やがて戦争は終わり、世界は再び復興へと進んでいくなかでガロードとティファは旅立っていく。まあ今思えば今までのガンダムではできなかったこと。戦記もの本当の意味での戦乱の終結をある程度描きたかったなといったところか。それゆえに一つの帰結と編者は評したわけだけれど。
まあいずれ、後の∀、SEED、OO、そしてUCと続く戦記ものとしてのガンダムの物語。ひとまずの区切りとしてのXはアニメ史に残すべき作品と愚行するけれどどうだろうか。
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