本当は良い子なんです・改訂<本当は怖いドラえもん>
ここでは前回の補完ということで、けっきょくのび太くん自身はどうなのか、というと、
まず『悪魔のパスポート』の巻にてはちょっとしたことで魔が差したことから実際悪いことをいろいろやっちゃおうということになるのだが、さすがに良心がとがめて最後には思いとどまったということ。
まあ結局は悪いことはできない性格なんですよ、というわけで。
次に『悪の道を進め』の巻にてはせっかく正しく生きると決心したのに、ガラでもないことを言ったばかりなのか結局失敗の連続で、のび太くんも自暴自棄になるのをドラえもんがよい子バンドを出して思いとどまらせるということ。
これは最後「自分の出来る範囲で」というシメがいいたかったのだろうけれど、それならば最初からバンドを出せばある程度活躍できたのにと思うし、結局は自分の思うこと、言ってしまえば出来る範囲ですらできないといった、まさにいい面の皮となったズッコケ話に終始してしまった、といったツッコミを述べてから、
やはり素直に評してみれば、人が何かを成そうとする時に、ある程度の挫折を一度ならず味わうこともあるだろうけれど、そんなときにも誰かが支えてくれるといったことを教えたかったのだなあ、というわけで。
あと最後『のび太の結婚前夜』にて結婚を間近に控えたしずかちゃんが父親に不安をたれると、その父親は旦那になるのび太くんのことを「あの子は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる子だ、それが人間にとって一番大切なことだ」と説いたということ。
まあもともと、のび太くんは優しくて思いやりがある子なのだけれども、日常の困難やズッコケなどでそれを忘れがちになって、その最たるものが(まあ今となっては誇張にすぎないのだけれども)第1話の悲惨な運命において、まあ貧すれば窮するといった事態になってしまうのだが、それをドラえもんの道具や、時には周りの友達、たまにではあるけれどジャイアンやスネ夫などの助け、そして何よりのび太くんの一握りの努力で人間的に成長したのだなということで。
まあともかく、本当はよい子ののび太くんを通じてある程度勇気づけられた読者(編者含む)は本当に数多くいると思うのですよ。
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