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戦争を知っていたドラえもん・改訂(ほか1本)<本当は怖いドラえもん>

さてみなさん、今回はちょうどバレンタインデーの時期に合わせての特集ということで、この記事を載せることにします、それでは、ごゆっくり。

このドラえもんが世に出てはや40年が経った。
その間読者の方々の中には大人となった方はともかく50代を優に越えられた方もおられるだろう。
さておきドラえもんのお話の中で戦争を取り扱ったお話もある。今回はその戦争に関わったお話を述べたく思う。
ドラえもんの連載開始当時は1970年代、つまりは第二次世界大戦の25年後、終戦からそんなには経っていないといった認識が大部分だと思うけれども。
ともかく作中で取り扱ったお話は『ゾウとおじさん』と『白ゆりのような女の子』の2題、今回はこれらを中心にまず述べる。前者は戦争の犠牲となったゾウの実話をもとに作られたお話で、後者は学童疎開を取り扱ったお話である。どちらも初期の名作ということでまた読み返してもいいと思うけれど。
問題なのは現在の子供たち、いきなり原作を読むと何らかのパラドックスを引き起こすものと思う。単純に計算して今や戦後65年「のび太くんのパパっていくつなの」という意見が子供たちの口に出て返答に困った事態にもおちいったかもしれない。
そこで編者としてはおせっかいの虫を騒がせて後者の『白ゆりのような女の子』のお話のアレンジネタをひとまず考えた。まあ前者のネタは諸般の都合で見合わせるということで。

パパの初恋(原題:白ゆりのような女の子)

ある日ママがおやつにチョコレートを買ってきてみんなで食べることにした。その時パパが子供の頃のことを話すのだった。
その話は子供のころの林間学校の時、そこでも友だちにいじめられ先生にも怒られてすっかりふさぎ込んだとき、どこからともなく現れた、長い髪で色白でつぶらな瞳の女の子がチョコレートを手渡して慰めてくれた。それはパパの初恋のお話でもあったのだ。
そのお話に興味がわいたのび太くんはドラえもんと一緒にタイムマシンでパパの子供のころの時代へと飛ぶ。
そこはちょうど子供たちが林間学校の授業の一環として畑を耕していた。みんなが一生懸命耕している中一人出遅れている子がいた。これが子供のころのパパだったのだ。
そこの先生は昔堅気で特に厳格な先生で、たびたび子供のころのパパがへばろうとすると尻をはしょったり、休み時間も残りの畑を耕すよう先生に居残りを言い付けられる始末。
ともかく残りを耕そうと必死にクワを振るうも途中倒れてしまう、日射病にやられたのだ。
何とか日陰にパパを運ぶドラえもんたち。そこでのび太くんがパパの身代わりとなる。まず服を取り替えるのはいいがその当時のパパは坊主頭、ためらうのび太くんをなだめつつドラえもんは頭を刈る、その際強力毛生え薬をふりかけて。
ついでにハッスルねじで残りの畑を耕して、後から現れた先生から自由時間を許可される。
パパを十分に休ませた後で女の子探しを再開、ところが途中のび太くんが足を滑らせて近くの沼にはまってしまう。近くに水場がないので強力洗浄パウダーで真っ白になってしまう。
ともかく身体もきれいになったところ、何と毛生え薬の効果かものすごい勢いで髪の毛が生えてしまう。それにのび太くんは「なんか女の子みたい」ともらすとドラえもんは得心する。
『長い髪でつぶらな瞳の白ゆりのような女の子』のイメージになんと今ののび太くんにあてはまっていたのだ。ともかく着せ替えカメラで女の子の服に着替え、パパのもとへと戻る。
夕方にさしかかり、木陰では目が覚めたパパが、このまま戻ればまた友だちにいじめられ先生に怒られると沈み込んでいた。そこに女の子に扮したのび太くんがチョコレートを手にパパに近づいて励ましの言葉をかけるのだった。
結局意外な結果となった女の子の正体探しを終え、現代に戻ったドラえもんたちは、思い出はきれいなままで残しておこうと心にとどめておくのだった。
その際パパが「そういえばあの女の子は大きくなればママみたいになるかな」ともらすとのび太くんたちは失笑を禁じえなくなったそうな。

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