のび太の堕落論~何倍の努力で一人前なのか?・改訂<本当は怖いドラえもん>
さて今回は、秘密道具の便利さやそれに関わるシチュエーションに溺れて堕落してしまう話とその裏面のストーリーを掘り下げてみようと、何回かに分けてお送りする運びです。まずはこの作品から。
<いたわりロボット>
いっつもしかられてばかりで落ち込んでいるのび太くんにドラえもんはいたわりロボットを出してやる。彼女に慰められたのび太くんだったが、次第に甘えきってしまう。
そこでドラえもんはタイムテレビで未来の落ちぶれたのび太くんを見せて、こりゃいかんということで今度は厳しいしごきロボットを出してもらったそうな。
このお話が掲載された当時はまだ“癒し”の要素がまだ重要視されていないけれど、あまり癒しが過ぎるとやはり堕落してしまうといったところか。まあかといって最後には厳しくしごいた方がいいというオチも、やはり当時は実力主義及び成果主義が幅を利かせていた故で、これは即ち散々牛馬のごとく働かせ、少しでも根を上げようとすると怠け者となじる。まあそこまでいかずとも、当時は結構躾がキビしかったご時世だったから。
まあ今更ながらスパルタ教育というのも全否定はしないけど、これも使いようによって劇薬となりうるのは事実で、場合によっては取り返しのつかない事態にもなりかねない。それでも当時はそちらの方が有効だと考えられていて、それが故のしごきロボットのオチといったところか。
あとお話の途中でのび太くんがママに「あなたは人に2倍努力をしてやっと半人前だ」といったくだりがある。まあ人の2倍努力してやっと半人前なら、4倍で一人前ということになるのかというのは難癖になるかも。まあママが言いたかったのは常に努力を惜しまずがんばりなさいといって励ましたつもりだったのだけれどねえ。
まあともかく、しごき(さもなくば鍛錬や努力)もまずは出来る限りから、そして疲れれば癒しも忘れずに。と編者の意見で締めて、今宵はここまでということで。
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