マインドコントロールの恐怖・改訂<本当は怖いドラえもん>
さて、ドラえもんの秘密道具の中で周囲の意思を操作する、いわゆるマインドコントロールの道具がある。今回はそれについて述べたいと思う。
『「真実の旗印」はつねに正しい』
この日もその場しのぎの嘘もすぐに見破られては怒られるのび太くん。
「最近は人を思いやる心がなくなった」とうそぶき、ドラえもんも「本気でそう思うなら」と、真実の旗印を出す。これを付けるとどんな言葉も本当の言葉に思い込ませることができるのだ。
それを使ってまず学校を無理やり終わらせるなどみんなをうまく言いくるめるが、最期には風で旗印が飛んでしまって今までついたウソがみんなバレてしまったそうな。
『腹話ロボット』
そもそも口下手なのび太くんはそれでいつも損をしているので、何とかしてくれとドラえもんに頼み込む。そんなの意味ないと説きつつも結局腹話ロボットを出す。
これは使用者にその場に適した言葉をしゃべらせて相手を言いくるめるロボットである。
のび太くんはそれを使ってママに言いつけられた草むしりを、先生の小言を、そして脅迫されたジャイアンのリサイタルを言いくるめるままに切り抜ける。
さしあたりジャイアンの危機を回避できたことを知らせるためにしずかちゃんのもとへと向かうも、しずかちゃんは入浴中だった。
何とか言いくるめるようとするが、何と言われるまま裸で外を飛び出そうとする。
流石に気まずかったか、のび太くんがロボットを捨ててみんな言いくるめられたのが解かれてしまった。
やはり未来の世界は王様ゲームの感覚でマインドコントロールごっこも流行っていたみたいだ。と、皮肉を言うのはさておき、確かに他人の心を操り他にも愛情や友情をもコントロールしようとする場合だってある。
それらは道具を外してコントロールが解かれるならまだいいが、実際のマインドコントロールはそんな生易しいものではない。
何せその人の考え方に基づいた思想、主義、果ては人生観までもコントロールしてしまうのだから。
それを解くには相当の根気が必要で、重度の患者はそれこそ自己崩壊の危険性をはらんでいる。
ともかくマインドコントロールの危険性はこのようなものだけれど、それを知ってこその未来の世界では「ごっこ」としてのマインドコントロールが確立してるのだなあ、ということなのだろうか。
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